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『スキャンダル』最も卑劣でタチの悪いハラスメント、ここにあり… 2/21(金)~公開

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原題:Bombshell ★★★★★

スタイリッシュな作りでテンポが良く、さまざまなキャラクターを交錯させながらも、それぞれを魅力的かつリアルに描いたセクハラの“内幕”群像劇

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(The Big Short)みたい、と思ったら同じ脚本家チャールズ・ランドルフ

その脚本をよし、映画にしようと立ち上がったのが、我らがシャーリーズ・セロンカズ・ヒロ(辻一弘、改め)氏による特殊メイクアップで、当時「FOXニュース」の看板キャスターだったメーガン・ケリーにそっくりに!

さらに、最初は女性監督に任せようと思っていたシャーリーズが託したのが、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』や『オースティン・パワーズ』『ミート・ザ・ペアレンツ』などブラックコメディの巧者でもあるジェイ・ローチ監督。

さらにさらに、巨大な権力者のセクハラ告発を用意周到に行ったベテランキャスター、グレッチェン・カールソンにニコール・キッドマン

実際の人物ではないけれど、犠牲者の女性たちの複合体ともいえるような新人キャスター、ケイラ・ポシュピシルにマーゴット・ロビーと、

“本気”を感じる強力な布陣。もちろん、中身もガチ。


特にマーゴットが演じる、南部の共和党支持の家庭に生まれ育ち、野心に満ち溢れ、ひと旗揚げたい若手の女性が直面していくことは、これまでにどれだけ多くの女性たちも遭ってきたこと、耐えてきたことか。私たちは彼女を通して、ハラスメントを目の当たりしていくことに(その意味でもマーゴットのオスカーノミネートは大いに納得)。

富や権力、安定した生活は女性ばかりではなく、男性たちにとっても(つまり性別など関係なく)失いたくはないもの。
そこをつけ込まれ、パワーハラスメント・セクシャルハラスメントが起こるわけで。大概これらはセットとなりがちなわけで。

巨大権力からの反撃や周囲の風当たりを恐れ、みな一様に口を閉ざしたり、「これには理由がある」とか言い始めたりする様は、まるでどこかの某事務所を思い出さずにはいられない。

真摯に被害者と加害者を描いた映画であり、

内心、居心地の悪い思いをしながらも観たくなる人は大勢いるだろうなと…。


予告でも使われている、3人が顔を揃えるエレベーターのシーン、ここの緊迫感は凄まじかった。

主要の3人だけじゃなく、ケイト・マッキノン、アリソン・ジャネイもさすがの存在感で、いい仕事っぷり。

そのほかのキャスターや秘書、メイクなど女性キャラクターたちも脇できっちり、印象に残る仕事をする。この辺はシャーリーズ姐さんのなせる技なのかもしれない。

「グッド・プレイス」の“あの人”など、海外ドラマでお馴染みの顔も続々、カメオも豪華。


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