会計学は現実を、経営学は希望を語る
会計学ってどんな学問ですか?
本学部には色々な先生がいらっしゃいますが、やはり人気は経営学、マーケティングですね。
会計学は地味です。
真面目にやればやるほど地味になります。
地味だから人気はいまひとつです。
もちろん、会計学が超人気のゼミという方もいらっしゃるとは思いますが、いわゆる財務会計、企業会計の分野で、他の分野と共存している学科、学部において、会計学が他の分野の先生と比較して人気!というのはあまり聞いたことがありません。
かくいう私のゼミも、昨年度の募集では0でした。
なんで、こうなったのかな?
とツラツラ、考えてみました。
自分自身、研究してみて思ったことは、会計学ってとことん現実と向き合っている学問だな、と思います。
というのも今の新型コロナウィルス感染症にまつわる問題。
ここにも会計学というか、会計は関わっています。
貸倒引当金、減損に関すること、企業業績に直結する問題に会計が関わっています。
当たり前ですけどね。
だった、会計なくして、企業業績の数値を算出することできませんから。
そのためのルールがどうあるべきか?
限られた条件(新型コロナウィルス感染症の影響で正確な見積りが難しい!)中でもどうしたら算定ができるのか。
こうしたことにトコトン関係者は向き合ってます。
こちらの記事では、企業の決算について現在の状況の中で(この記事が出たのは4月20日付です)、信頼に足る監査を行うことが難しい状況であることを日本公認会計士協会の会長自らが説明しています。
こちらの記事でも分かるように企業決算を作成するにあたり基準をどのように適用して処理すべきか?ということについて議論されていることが分かります。
平時とは異なる状況。
でも決算は出さないといけない。
ではどのようにするのか?
まさに現実です。
にわかに会計に関することを知り合いにも質問されることも多くなりました。
それだけ今、企業決算の数値作成に直結する会計に関心が高まっていると言えます。
一方で、経営学は?
こちらハーバードビジネスレビューの一連の記事です。
こうした状況の中で、みんなに希望を与えることを意識した論文が数多く掲載されてます。
こうした論文を読むと何か実践をしてみよう、という希望、意欲が湧いてきますね。
経営学と会計学、こう考えると対照的ですね。
どちらに優劣があると言いたいわけではないです。
楽しいのは経営学でしょう。そしてマーケティングも、ですね。
マーケティングにせよ、経営学にせよ、プラス思考の学問です。
マーケティングは商品を売る方法、経営学はよりよい経営を行うための学問です。
一方で、会計学はマイナスなこと、不都合なこととも向き合わなければなりません。
今のwithコロナ時代における様々なこと。辛い現実。そこと向き合っていく学問です。
ですが・・・こうとも考えられませんか?
現実と向き合っているからこそ、面白い、と。
なぜならば、今後地球環境を巡る問題を含め、私たちは様々な困難に直面していきます。
これはコロナが来る来ないは関係ありません。
たとえば、こうした統合報告書。
企業活動には社会的責任が問われる時代になっています。どうすれば最適な説明が出来るのか?
こうしたことに向き合うためには会計の知見は必要でしょう。
今回の騒動を巡り、企業が保有している金融商品の目減りも起きています。
こうした処理をどうするのか?
希望、理想で語れますか?
会計が必要です。
辛い現実と向き合いながら、リアルな数値を追求していく。
コロナの時代だからこそ、会計を学ぶ価値が、改めて出てきているのではないか、と思います。
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