管理会計、財務会計、監査は重なり合っている
学問も分化が進んでくると言いますか、蛸壺化する傾向にあります。
それは会計においても例外ではないです。
管理会計は企業内の会計、財務会計は、外部への報告のための会計、監査はそれを監査する手続きに関する領域。
そうやって分けて考えてしまいがちです。でも実際にはこのようにお互いの領域は重なり合っています。
たとえば、管理会計は、確かに企業内部の会計なので、財務会計と分けて考えがちです。
ですが、企業経営者は常に外部への報告も意識しているわけですし、内部の会計と分離しているわけではありません。
管理会計の強みは、財務会計のようにGAAPに縛られずに企業内部に特化した会計システムを採用できる、という点で、自社の経営の効率化、戦略との結びつきも意識されます。
その経営上の結果は、財務報告にも投影されるわけです。
なので、財務会計の数値から管理的側面を読み取ることもできるはずです。
もちろん、管理会計はその特性上、経営内部の話なので、財務会計の数値のみを使った研究では完結しないでしょう。内部調査も行った上で、企業の管理会計システムの優位性を示すことが研究上望まれますし、それを一般化するような調査や理論構築が必要でしょう。
そして財務会計です。財務報告は、法定開示であれば、監査を受けます。監査は公正妥当な会計処理基準に沿って財務報告が作成されているかどうかをみますので、当然、監査は財務会計と密接にかかわります。
ただし、財務会計と監査の視点は、共通点と相違点があります。質の高い財務報告を作成する、という共通の目的はあるものの、利害関係者への報告を重視する財務会計と、GAAPに沿って作成が行われているかどうかをチェックし、不正、不適切な処理、取引が行われていないかを重視する監査では、視点が異なります。
学問領域の繋がりを意識する。その繋がりを意識することで、学んでいる学問の特徴も浮かび上がってくるのではないでしょうか?
自分の学んでいることに対してダイナミックな思考、視野で考える。学問領域の繋がりを意識して学びを進めていくと、面白さが増していきませんか?
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