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コミットしやすいから自律的にみんなが関われる:「みんなの図書館さんかく」から学ぶ

1月30日の午前中に焼津商店街にある「みんなの図書館さんかく」を訪問してきました。

私のフォローしている作家兼バーテンダーの林さんが「みんなの図書館さんかく」の話を取り上げていました。

これが取り上げられたのが1月19日でして、お、なんか面白いことやっている人いるな‥‥と読んでいたら、あれ?この人どっかで聞いたことある人だ!と思ったら、

「本学部の卒業生の土肥さんじゃない!」

ということで早速訪問してきたわけです。

単に訪問するだけではなく、ご縁を感じたこともあり、一箱オーナーとしての予約をして、その打ち合わせを兼ねていきました。

せっかく行くんだから、興味を持っている人と一緒に行こう!

と思い、授業の中で、

「こうした面白い先輩がやっている、図書館に行くんだけどみんないかない?」とお誘いしたところ、3名の学生さんたちからの申し込みがありました。

*ゼミとは全く無関係の3人の学生さんたちです。

*私のポリシーとして、自分の趣味的な活動と研究活動を分けていることがあり、趣味的な活動には無理にゼミ生を誘いません。

午後は娘ちゃんの習い事があったので、私の事情で10時ということになりました。それにも関わらず皆さん、時間前に集合していました!

素晴らしいです。やっぱり自主的な申し込みで来ている学生さんたちは凄いモチベーション高い!

3人の学生たちは、それぞれのやりたい事が明確にあり、今後自分たちのやろうとしていることを拡げていきたい、進めていきたい・・・そのきっかけに「みんなの図書館さんかく」の見学と土肥さんの話を聞いてみよう!

そうした意気込みを感じる素敵なメンバーでした。

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私が学生さんたちから元気もらいました。

私で出来ることがあれば力になりたい。

そうした気持ちにさせられますね。

さて、『みんなの図書館さんかく』の話に戻します。

こちらは焼津商店街にあり、焼津駅から徒歩4分ぐらいの場所にあります。

草薙⇒焼津間が20分強(23分ぐらい)なので、時間を上手く合わせられれば30分で現地まで行くことが出来ます。

これは私にとって非常に大きいですね。

僻地にあってもそれはそれで逆に良い場合もありますが、「アクセスの良さ」は、家事育児、そして仕事もあり、自由になる時間が限定されている私にとっては、有難いです。

さて、2020年3月3日にオープンした「みんなの図書館さんかく」。

静岡県焼津市栄町3丁目3−33

にあります笑

これはさすがに偶然だそうですが、3に拘るコンセプトで構成されています。

「まちライブラリー」(誰かと繋がる「みんなの図書館」)​開館時間中であれば、自由に本を借りることができます。利用料は無料(初期登録料300円)

「さんかく大学」(まちの学びを自給自足する)春夏秋冬の4クオーターで連続講座

「小さなチャレンジプラットフォーム」何か一歩踏み出したい、そんなときに仲間が見つかったり、そのチャレンジの場所として活用

という三つの柱です。

運営費は主に「一箱本棚オーナー制度」からの資金で賄われています。

⼀箱本棚オーナーは、「みんなの図書館さんかく」に⾃分だけの本棚を持つことができる制度です。⼀箱本棚の利⽤期間内であれば、いつでも⾃由に本の⼊れ替えをすることが可能で、オーナーの希望で本の販売をすることもできます。

「みんなの図書館さんかく」のスペースは広くないですが、置かれている本は、オーナーさんたちの拘りの本が置いていて、素敵でした。

こんな本、あったよねーとか。え、意外な選書など。人によっては古書、絶版の本を置いている人もいます。

みんなが選書した本に想いを感じます。

室内の雰囲気もとても良いです。

ガラス扉で、木の本棚、木目のフローリングで落ち着く内装です。

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滞在していると落ち着いた雰囲気を感じることができます。

私たちが滞在している時間にも親子で本をずっと読んでいる方々もいて、この図書館を愛用している方も多いと感じることが出来ました。

本に囲まれていると、自分の心が広くなるような、賢くなったような気がしますね。こうした雰囲気を意識したような研究室づくりをしてみたいですね。

土肥さんも語っているように、みんなが集まれるコミュニティとしての居場所は、図書館でも喫茶店でもなんでもいいと思います。

「図書館」という形は、居場所をつくるための手段に過ぎません。

ですが、この本というのがとても魅力的な素材なんですよね。本は私たちに知識を、智慧を、そして勇気を、生きるための力を与えてくれます。

例えば、私が今読んでいる本、アウシュビッツの図書係、は本の大切さを教えてくれます。

アウシュビッツで秘密に作られた子どもたちのための学校。そこでの図書係を任されたディタは「たった8冊」の本を管理することを任されます。幾何学の本や地図、旅行記、語学の本・・・・決して状態の良い本ばかりではないです。ですが、それが子供たちの希望でもあり、支えでもあり、生きるための力を授けてくれます。

本を読まない人が増えていると言われています。ですが、本が持つ力こそが私たちを救ってくれるのでないか。そう信じています。本の素晴らしさ、もっと多くの人に知ってもらいたい、体験してもらいたいです。

話が逸れました。

本の選書は皆さんの拘りがあります。「みんなの図書館さんかく」に置かれた本は、限られたスペースの中で、その一冊一冊の拘りを感じるものでした。

『限られたスペースだからこそ』ですね。

私にとって「みんなの図書館さんかく」から学べたことは、この枠組みが、みんなが参画、つまりコミットしやすい場所になっている、ということです。

*「みんなの図書館さんかく」のお話はぜひこちらご覧ください!

出資者(本棚のオーナー)であったり、または手伝いに来る大学生であったり、商店街の人たちであったり・・・

それぞれの関わり方で、こちらの図書館の運営に参加しています。

私は最近、会計学を研究する傍ら、人の自律性ということに大変興味を持っています。

ライアン&デシの自己決定理論、内発的動機づけの研究(勉強)も行っています。

コミットしやすい枠組みだからこそ、みんながそれぞれの関わり方で自律的に運営に参加できる。

「みんなの図書館さんかく」は、みんなが自分事として、コミュニティに関われる枠組みとしての可能性を感じました。

私も、全ての人が自律的に生きれる社会の実現向けて、やるべきことをやっていきたい。

そう改めて決意することになった「みんなの図書館さんかく」の訪問でした。

皆さんもぜひ、一度尋ねてみてください。




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