母性的な原要素としての岩と水、そして童児神
水、海が母性、生命の起源的な要素がある、ということはイメージしていましたが、岩もそうらしいです。
岩がなぜ?
と考えてみても(検索しても)出てこなかったです。
あ、こちら読んでます。
「神話学入門」です。
「始原児が原始世界のある場所で、岩や水といった母性的な原要素と結びついて現れるという根本主題は、クレータ島においてもギリシャ本土においても同一である(92頁)。
岩が始まり、ありのままを表すのは分かりますが、母性的な原要素であることは今一つ分かりません。
水は海のイメージと結びつきますし、私たち人間が全て、水に満たされた子宮から生まれてきたと考えれば、母性的な原要素であることは理解しやすいですが、岩もそうなんでしょうか?
勝手なイメージかもしれませんが、ギリシャは岩、海?というイメージはあります。岩と海がセットとなっている、と言えば、西伊豆を思い出します。
そういえば、日本の神話の世界でも岩は出てきますね。
猿岩だったり、天の岩戸であったり。
こうして調べてみると岩にまつわる神話は多いですね。岩のイメージはどんな形でしょうか?固いもの、守ってくれそう、守護神、でしょうか。
岩が信仰の対象になっていることもありますね。
おそらく、水は実態がない、つかみどころがない。
一方で、岩は実態があるもの、そこにあるもの。
信仰の対象として、岩の方が水よりも具体的なイメージを沸かせるもの、であるのかもしれません。
岩と水が母性的な原要素である、とすれば色々な場面の解釈もできそうです。
例えば始原児、つまり童児神が、岩や水という要素と結びついているということは、母親との結びつきを感じます。
というのも、彼らは捨て子、もしくは母と何らかの理由で分かれざるを得なかったであるから、です。
岩と水は、童児神と母との結びつきを感じさせます。
つまり、捨てられた神ではあるのですが、しかしながら、彼らはどこか母に守られている、わけですね。見守ってもらっている、ということです。
ちなみに・・・父親は神話の中では憎しみの対象であったり、殺される対象です。ギリシャ神話、悲劇では大体父親はロクな死に方しません笑
神話のお話ではありませんが、SPACの宮城さん演出、ギリシャ悲劇、アンティゴネでは、役者が水が敷かれた岩の上で演技をしています。
水は、彼岸を表しているということはイメージできていたのですが、岩については意識していなかったです。
これまで岩に注目してこなかったわけですね。
思えば岩は一様ではなく、それぞれ個性的な形をしていることが多いです。だからこそ、そこに神の存在を感じさせますし、海岸にある岩については海、すなわち水とも結びついて、一つの信仰の対象になったのかもしれません。
これからは岩!にも注目してみようと思います。
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