【ワイナリー立ち上げ日記】はじめに。
僕の長野県塩尻市の実家には祖父が残してくれたぶどう畑がある。実家は祖父の代から長年地元のワイナリーにブドウを卸している小規模な契約農家である。
それを、僕は「自分でワイナリーにする」と決めた。とはいえ、今ある畑の収量だけでは、果実酒の酒類製造免許を取得するには足りない。果実酒を仕込むためには最低6キロリットル、単純計算で6000kg分のぶどうが必要である。
ただ、塩尻市はワイン特区の認定を受けているので、少しハードルは下がって塩尻市産のモノを使えば最低で2キロリットルからスタートできる。今ある畑の生産量は年間1トン(1000kg)あるかないかくらい。90年代には3トンくらい採れた年もあったのだが……畑自体を半分に縮小してしまったりで、全然足りないのだ。
そこで、まずは目安となる2~6キロリットルの畑を作ること。ぶどうは1ha(単位はヘクタール、100m×100m)で、およそ10トンくらい収穫できるという。10トンあれば仕込めるワインは7キロリットルくらいになるので免許問題は解決する。
会社を立ち上げて1年目の2022年は自分自身の会社の立ち上げと事業を回すこと。そして、畑探しや諸々のリサーチに時間をかけていた。この春に無事実家の近所に畑を借りられたので……。2023年はぶどうの苗を植える畑作りをいよいよやっていく。
ぶどうの苗を植えて、収穫できるようになるまではおよそ3年くらい。その間は近隣のワイナリーで委託醸造という形で作れればと思っている。そして、醸造用のタンクを買ったり、社屋を建てて……という作業を行っていくといよいよ自社のワイナリーができる、という算段である。
まぁトントン拍子で上手くはいかないだろうから。長い目で見ている。畑仕事も手伝い程度にしかやってなかったので素人に毛が生えたようなもの。道のりは長いけれど、一つ一つやっていくしかない。そんな記録をつらつらと書いていきたい。
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