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教育論、何を信じればいいのか問題。

現在の僕は、5歳4か月の娘と1歳4か月の息子を育てる日々である。

子どもが2人いれば、まぁどうしたって騒がしいもの。2人とも保育園に通っているのだけれど、朝起こして朝ご飯を食べさせて着替えさせて送り迎えをして……。園から帰ってきたら風呂に入れて夕ご飯を食べさせて、双方の要求を聞き一緒に遊んだり、絵本を読んだりして寝かしつければ、あっという間に一日は終わる。

親としてどうすれば二人に良いのか。日々、思い悩むものである。

育児書も色々読んだけれど。なかでも池谷裕二さんの『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』(クレヨンハウス)を気に入っている。池谷先生の脳科学の知見と共にご自身のお子さんの様子をまとめたエッセイである。

その『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』(クレヨンハウス)の最後は「マシュマロテスト」で締められている。ざっくり言えば、4歳児にお菓子を与え、「15分間我慢できたら、もう一つあげる」と伝え、我慢できるかを見るもの。このテストで我慢できるか否かが、将来の学力や成功の予測にも使えるというものだ。米スタンフォード大で1960年代~70年代にかけて行われた実験である。

確かに理にかなっている部分も多いし、池谷先生が……というので、僕も娘や息子が「マシュマロテストをクリアできたらなぁ」と思ってた。

ところが、だ。

近年、心理学や行動経済学等の著名な研究論文が次々に追試に失敗しており、この「マシュマロテスト」の効果も限定的である、という結果が出たのである。お菓子を我慢できるか否かは、教育や家庭の環境の⽅がより重要で、我慢強ければ成功するとは限らないという訳だ。

我慢強く将来を見据えたら成功する可能性は高い、というのも一見正しそうだが。まぁ、その我慢強さだけでは因子としては不十分で、むしろ教育や家庭環境が重要……というのは元も子もない話だなぁと、僕は随分落胆してしまったのである。

自分自身の子育てに対するスタンスは「妻に任せっきりにしない」というのは大前提で。なるべく関われる部分は関わるように。その上で、子どもたちに接するにあたって「理不尽なことでは怒らない・叱らない」「本人たちの自尊心を尊重して、『やりたい!』と言うことはなるべくやらせてあげる」という辺りだろうか。

教育論は有象無象が多いだけに、著名な論文でもこうやって追試失敗という話が出ると、「何を信じればいいのか」という気分になる。とはいえ、前を向いて子どもたちに接するしかないんですよね、きっと。