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野球マンガ『バトルスタディーズ』の面白さ。

『モーニング』で連載している高校野球マンガ『バトルスタディーズ』がめっぽう面白い。作者がPL高校野球部の出身で、作者の体験ベースで物語が構成されているので、強豪校の事情がリアリティありすぎるのだ。

例えば、走塁。スライディングしがちだけれど、「前へ前へ」の意識があれば、足をパタパタさせて減速加速がしやすい状況を作る。ギリギリまで球から目を逸らさずにいて、隙があったら即行動できるようにしている。

走者が塁にいる時。重要なのは進塁させること。「右方向に打つ」だったり「内野フライはNG」を考えてプレーしている。

プロ野球選手や親しんでいる人ならば当たり前なのかもしれないけれど。「上手い人」の思考はこうやって作られているのかと思うのだ。

でも、これ実際の仕事だったりにも通じる部分があると思う。「あるべき状態」から、因数分解して必要なタスクを割り出し、それを着実に一個一個潰していく。弱いところがあれば補完する。論理思考が鍛えられるなぁと思う。

より詳しく統計的な要素を加えて行ったのが『マネーボール』になるんだろう。

余談だけれど、『バトルスタディーズ』は強豪校ならではの実態も興味深い。「練習中に水飲むの禁止」を破る下級生に対して……。「つばを吐いてみろ」と言って、シュワシュワと泡立っていれば喉が渇いている証拠、泡立ってなければ水を飲んだと判別する。リアリティありすぎる……。

部員間での暴力も、「言って聞かない奴にはどつく」を是とする上級生もいれば、「時代がそれを許さないから」と否定する上級生同士の葛藤みたいなものも……。

野球マンガって結構やり尽くされていた感じがあったけれど、「この視点があったか」と驚く作品である。

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