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移転のお話のその後

高く飛び上がろうとした時に

新しいことを始めようと試みた時に

試練はたくさんやってくるけれども、
幾度となく乗り越えようと気持ちでカバーしながら
これまでやってきた。

でも今回ばかりは気持ちがついていかない自分がいた。

保守的に、守りに入った自分がいた。


お店の移転に向けて、動いていたけれども、

まさかの妊娠という事実が発覚し、

つわりでしんどかったという健康状態、精神状態もあるかもしれないが、

私の移転への気持ちが一気に冷めてしまった。

いや、一気にではないかも。

やりたい気持ちもやっぱりどこかには残っていて。

それも捨てきれず。捨てきれないでいたけれども。

でもこのタイミングでやってきたお腹の中の命は何かを暗示しているようで。そう思っちゃう自分がいて。

そして家族とも相談、夫からのストップもかかる。

まだまだ初期の段階だけれども、迷惑かけるといけないので、バーのオーナーである山田さん(仮名)にもお話ししなければと、正直に自分の気持ちも少し冷めてしまったことも含めて、意を決して伝えることに。

山田さんからお返事がきて。

今回の話は白紙にしましょう、
お体大事に過ごしてくださいね。

と。


戦わずして(試作を召し上がってもらえずして)
この結果は
棄権という選択肢のようで、
悔しい現実だったけれども、
そう言われることも望んでいた自分もいた。

山田さんにもご迷惑おかけした。
この話をこんなチャレンジだけが取り柄のお弁当屋さんを起業したママに持ってきてくれたことに関しては本当に感謝だ。


さて、私は
あれだけ野心に燃えてたのに、
挑戦するぞーと意気込んでいたのに、
諦めの早い、引きの早い自分にも
本当に驚いた。


あ〜〜、全てはタイミングだなぁと。

後悔、悔しさ、責め心もなかった。

ただただ、この先の生まれてくるであろう命を守りながら育てて行こうと心から思えた。


ありがとう。私の元にやってきてくれて。


そして気持ちも大きく切り替えて。

8月、営業ラストスパートに向けて頑張るか!!と意気込む。

家族には無理をするなと言われていた
お店ももう閉じたら?という懸念された。


つわりで家で苦しんでいたから、そんな姿見てたらそりゃそうだ。


でも、まだまだももかふぇのお弁当を食べたいと楽しみにしてくださっている方々もいるので、最後8月は頑張りたい!!


スタッフは経営難のため7月でひとまず雇用をやめており、8月はもともと一人で運営していく予定だった。

まさかの、こんな身重で一人でしなければならないなんて思ってもみなかったから、自分でも苦笑しかなかった〜〜〜!!

とにかく頑張ることに。


お店オープンギリギリまで家で寝て、
ご予約分だけ作り、お弁当をお渡し終えたら
閉店時間になる前に申し訳ないけれどもお店を閉めて帰る、
という日々が続いた。

友人からも14時ぐらいに「今から行こうと思うけどいい?」と問い合わせが入るが、本当に申し訳ないと、お断りしたり、お客様にも迷惑をおかけした。

家に帰ってはバタンキュー、ソファーでトドのような生活。

夫の帰りを待つばかりで小学2年生の娘はリビングでお友達と遊ぶ。

だらしのない母親像だったが仕方ない。
しんどいんだもん。
トドでもなんでもいい。

仕事で家に帰ってきた夫はトドの世話もしないといけないから大変だったと思う。

無口だが文句一つ言わず、家事をやってくれた夫には感謝だ。


まだまだ早い段階だったけど関係各所には迷惑をかけてはいけないと思い、妊娠という事実を伝えた。


人に伝えることはすごく勇気がいること。

「流産」したらどうしようという気持ちももちろんあった。


でもその昔、二児の母である友人のかずみちゃんがすごく大事なことを言ってたのがずーーーーーっと心に残っていた。


かずみちゃん:私は妊娠したら嬉しくってすぐに人に言いまくったよ〜〜!!

私:なんでそんなにすぐに言えるの?怖くない?流れちゃったらどうしようっと私思っちゃうから、第一子の時は本当にだれにも言わず隠してたよ〜

かずみちゃん:だって、もしも流れたとしても、もし万一、考えたくないけど生まれなかったとしても、

お腹の中にやってきたということは事実なんだから、この時点でおめでとうと言ってあげたい!
その命がたとえ亡くなったとしても、この世にやってきたことは事実なんだもん。

まずはやってきたことをお祝いしてあげなきゃ!


なるほど。そうか。

私がだれにもこのことをいなかったら、私の中だけの事実になる。この命はだれにも知ってもらえない、言われるまで存在しない命になるのか。

そうだ、何が起きたとしても、この世界にやってきたことは事実だから、認めて、喜んで、祝ってあげなきゃ。


そう、大事なことを教えてくれたかずみちゃんの言葉。

それがずっと心に残っていたことを思い出し、
私は人にもこの事実を躊躇なく言えるようになった。


とにかく、命がやってきたことに感謝と祝杯をあげたい。

私の元にやってきてくれてありがとう。

そして、何が起きても受け止めよう。と。