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「街 12」テレビドラマで有名な街


決して今風のドラマではないが、ロングセラードラマの舞台だった。
47都道府県にいく、ということを一つの目標にしているのだが、
ようやく昨年末に行けた。

一言で言えば、「すごくよかった」し、やはり徳川時代のお殿様たちは
「場所の気」というものがちゃんとわかっていたのだと、城下町にいくと
感心する。


水戸


水戸黄門
で有名な場所だ。

ただ、関東の人でもなかなか水戸に行ったことがある人は少ないように感じる。
徳川時代の御三家の一つであり、日本三名園の一つである「偕楽園」があるところ。
水戸に行った時の目的は、「偕楽園」と「そば」。
城下町は、そばが有名なところが多いように思う。お殿様たちは蕎麦好きが多かったのだろうか。

東京からは、「特急ときわ、ひたち」に乗って1時間から1時間30分で到着する。
特急も車両は新しく、私が乗ったのは平日だったのだが人は少ない。
ちょっとコーヒーでも飲んでいれば、到着する。車両は、とても静かで乗り心地が良い。


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到著後、すぐに見つけていた10割そばの店へ。
駅から徒歩で行ける範囲にある。
その途中におしゃれなカフェがずらっと並ぶ通りを見つけ、「帰りに行ってみようかな」とプランに加えた。


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そもそも旅の時に、ほぼ予定を立てない。
その時その街に行って、行きたいところを決める。
ただ、一つの目的地と食べ物だけは調べていく。そうして、プランを変更することもあるし、ギッチリとスケジュールを決めている旅は、疲れる。

せっかく非日常を楽しみたいと思っているのに、スケジュールを決めるなんて
もったいない、と思うタイプだ。

蕎麦は美味しく、駅に戻る途中カフェに立ち寄る。
地元の人たちが来るので、どんな会話をするのかが聞けるのも嬉しい。


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そうして駅へ向かって歩いていると、「偕楽園」と書いているバスを見つける。
ちょうどバス停の前だったので、乗ってみる。ラッキーだ。

終点まで行って、偕楽園の方向に行こうと思った時に、左手に大きな湖を見つけた。
「千波湖」。


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川、湖、海には目がない私にとっては、「いくしかない」。

そこには多くの水鳥たちがいて、完全なる市民の癒しスポット。
この近くに住む人たちは、きっと毎日でもここを散歩するのだろう。
なんて羨ましい・・・

水戸黄門様の銅像があるのだが、ちょうどこの時は工事中で頭の部分しか見えなかった。

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しっかり癒され、目的地「偕楽園」へ。
水戸9代藩主の徳川斉昭が、作ったとされる庭園。

一面に広がる敷地。
その敷地からは、千波湖を見渡せ、さらにその先まで見える。
「気が良い場所」というのがあるが、まさにここは徳川のお殿様が見つけたパワースポット。


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園内を歩き回り、(とにかく広い)そして一つの「有料」の場所を見つける。
「好文亭」
9代藩主の徳川斉昭が藩民との語らいの場として作ったとか。
当時90歳まで長生きした人や、藩への功績があった人たちを、好文亭に招いて
藩主と話ができたとか・・・
江戸時代から、このように「上の人」と話ができるような仕組みを作っていたところが、この藩主の凄さだと思った。
そしてこの時、周りには誰もおらず、私1人。
その後少し観光客が来るのだが、ラッキーな時間帯だった。


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好文亭には階段があって、「楽寿楼」と言われる、お殿様がここから水戸の東南西を見渡しながら、藩政について思いや政策を巡らせた、と言われる場所にあがる。

絶景。

絶対に行ったほうが良い場所だ。

そして、畳の部屋にも入れるのでそこに入り、お殿様と同じ気分で水戸市内を眺めてみた。

タイムスリップして、江戸時代にいるような感覚になる。
お殿様は何を考え、どのように過ごしたのか、想像するだけでワクワクした。

なんと贅沢な時間。

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私が1人でこの時間は独占できた。
リラックス、デトックス、なんでもいいけど、本当に貴重な時間だった。

広間も広い広い。36畳もあるらしい。この部屋で、藩民と藩主が語らったというのだから、なんだかすごい。
藩民たちにとっては名誉なことで、きっと前日は眠れなかっただろう、とか、
どんな話をしたんだろう、と思いを馳せるだけでも、本当に面白い。
歴史というのは、時代を超えて「共感」できる部分があるからこそ、面白いのだろう。


とても居心地が良い場所だったので、かなり長く滞在した。
混み合ってきた時にそっとこの場を離れた。
帰りもバスで駅まで。

街も綺麗だし、大きな観光名所はあるし、土地の気は良いし、歴史がある。


そう言えば、大学時代の友人が水戸の出身だった。
その子は、本当に綺麗で、お洒落で、独特の雰囲気を持ち、裕福な家のお嬢様で、一人暮らしで南青山に住んでいた。

時計はロレックス、靴はジョルダン(昔はやった)と、彼女からブランド物を
教えてもらった感じだった。
(私は何も持ってなかったが)

東京にもちゃんと馴染んでいた彼女が、しょっちゅう水戸に帰っていた。
そして「水戸が大好き」と言っていたのを思い出す。

私は当時水戸に行ったことがなかったが、行ってみて「なんとなく気持ちがわかる」気がした。

故郷であっても、帰りたい場所とそうでない場所があると思う。
やはり街の持つ雰囲気、歴史のある場所には、美味しい食もあるので、幼少期を過ごした思い出とともに存在しているのだから、それは恋しくなるだろうと思った。

きっと彼女は故郷に帰っているに違いない。

それにしても、2021年においても、徳川の名残があらゆるところにある。
江戸時代の影響はまだまだ残っていると、あらゆる場所にいくと思う。
日本各地に行くと、「こんなに日本には素晴らしいところがある」と発見して、
歴史を学びたくなる。

日本で生まれ育っても、まだまだ知らない日本がたくさんあることが、ありがたいし、これからもいろんな街に行ってみよう。


上野 博美


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