見出し画像

「人」シリーズ第26弾。


以前書いた「母」のエッセイを母に見せた。
私の隣で、ゆっくりと、じっくりと、何度も、私のスマホを
スクロールしながら読む母。


せっかちな私は、「もう読み終わったなかな」と何度も確認するが、
なかなか読み終わらない。
読み終わっても、すぐに感想を言わない。


ようやく私が、「どうだった?」

と聞くと、「こんなに立派だったかな、、、とにかく母親がいなかったら、
自分が一生懸命だったから」

と。

確かに、7歳で実母を亡くし、継母からの虐待も受けてきた母は、
「自分の子供だけは絶対に幸せにしないと、守らないと」と
思ってきたのだろう。

子供はきっと一生かかっても、その恩を返すことはできないのかも
しれない、と思う。


親孝行で、旅行に連れて行っても、食事に行っても、
そんなことで親が子供を思う気持ちを返せやしない。


感謝しかない。
できる限りのことを、出来るだけやるしかないのだろうな。


と、身内ネタでこのエッセイを始めたが、私にはまだまだ身内がいる。


「2歳年下の妹」


私達姉妹が一緒にいると、
「先輩と後輩」

と思われ、姉妹だと言うと、とても驚かれる。

外見は全く似ていない。

ただ、唯一声が似ている。
まだ学生の頃電話に出ると、私か妹かわからないと、親戚から良く言われた。


性格も全く違う。

海外も、国内もありとあらゆるところに行ってきた私とは違い、
地元の高校と短大を卒業後、地元の企業に就職。
そこで知り合った方と結婚し、私の両親と同じマンションに住む。

どんなに留学を勧められても、首を縦に振らず、とても愛嬌の良い妹だから
客室乗務員受けたら?
と言われても、英語が苦手だから、と言って首を縦に振らない。

私達は、自分の好きなことがはっきりしていた。
そして、ケンカは沢山してきたが、最後はどこかでお互いを認めているし、
私は妹を守らねばと言う気持ちがある。
今は私が守らなくてもいいのだが、幼い頃は妹がいじめられて帰ってくると
「誰にやられたの?やり返しに行くよ!」
と再び妹を連れ、いじめた相手をやっつけて、
「妹をいじめるな!」と言ってきた名残だ。


お酒が強く、誰からも好かれる性格で、料理が大の得意。
毎日毎日家族のために、多くの品数を作り全てが美味しい。
私はお酒が弱く、実は人見知りで、料理はするが、私は早さには
自信があるが、私よりも妹の方がずっと凝っている。

何より旦那様を大事にし、九州男児に仕える妻。
内助の功も多く発揮し、旦那様も順調に出世中。
母の洋服店でパートはするが、それ以外は完全なるプロ主婦道を歩いている。

娘(私の姪)の結婚式で、姪が両親への手紙で「パパとママのような家庭を作ります」
と言ったのが、何よりの喜びだっただろう。

「娘達に、パパを嫌ってほしくない。それが一番嫌なの」
と言った時、びっくりしたし、本当に旦那様への愛が深い事を知った。


二人が仲が良い理由

外見も中身も、歩いてる人生も全く違う2人が仲良くできてるのは、
両親が私達を一度も比べたことがないからだろう。

「あなたはあなた」

とそれぞれを理解し、それぞれの良いところを認め、決して一方だけ褒めることがなかったからだ。

その点は、本当に両親に感謝している。

両親が大病をし、入院した時は2人姉妹で協力して、日々の見舞いも
行えた。
今は妹が両親の近くにいてくれているので、私は随分助けられている。
お互いにゆっくり話せる時間がなかなか取れないが、
何があっても、いざとなれば支え合える、そんな心強い存在だ。


このカバー写真にしたのは、妹は短大の被服科を卒業しており、卒業制作でウエデイングドレスとブーケを作った。自分の結婚式でもそれを着用し、姪もこのドレスをサイズ直しをして着用したのを思い出したからだ。




サポートありがとうございます!いただいたサポートは、次の良い記事を書くために使わせていただきます!