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コンビニ店員のお姉さん


「人」シリーズ第27弾。


滅多に行かないコンビニで

今朝珍しくコンビニに行った。

普段はほとんど行くことがないのだが、お墓参りに行くため、お線香に火をつけるライターを買いに行ったのだ。

ライター1つをスーパーで探すのはめんどくさいので。

まず「いらっしゃいませー」と明るい声で迎えてもらった。

ライターを見つけ、レジに近寄ろうとすると、女性レジスタッフは、背中を向けて調理をしていた。

いそいでいなかった私は、キリのいいところでこちらに気づいてくれればいいや、と思っていたのだが、わりとすぐに気づいてくれ対応してくれた。

お支払いを済ませ商品を渡してくれた彼女は、「ありがとうございました!いってらっしゃいませー」

と、おそらくだが、毎朝お客様に言っているであろう言葉を私にかけてくれた。

その時だ。

心の中に爽やかな風が、すーっと吹いた気がしたのだ。

何が起きたのか

コンビニに入ってすぐに、いらっしゃいませ、と明るい声で迎えられる事は、決してよくあることでは無い。

そこでも少し驚いていたのだが、この何気ない、彼女にとっては毎日言い続けているであろう、挨拶に愛を感じたのだ。

それは彼女のニコニコの笑顔と、明るい言い方があったからこそかもしれない。

朝のお客さんの中には、仕事に行く人は多いはずだし、私も今朝はジャケットを着て、いかにも仕事に行きます、と言う格好ではあった。

その私に、彼女にしてみれば、今朝何度言ったか
わからない、「いってらっしゃい」と言う言葉に、まるで身内から「いってらっしゃい」と言われたような気がしたのだ。


私は一人暮らしではないが、たとえ家族と一緒に住んでいたとしても、そして一人暮らしはなおさらのこと、「いってらっしゃい」と言って、見送ってくれる人がいる人は、この世の中にどのぐらいいるのだろうか。

たとえ家族と一緒に住んでいたとしても、自分が1番最後に家を出る順番であれば、誰も「いってらっしゃい」と見送ってくれる事は無い。


この見送られることの心地よさ。

この見送りに愛を感じた私は、おかしいのだろうか。

でも私は愛を感じたのだ。

それも彼女は無料で愛を与えてるのだ。

私はサービスや接遇を教えている立場ではあるが、難しいことではなく、たった一言、家族が家族に声をかけているようなことを言ってあげれば、人は喜ぶのだと改めて実感した。


彼女の接客態度は素晴らしい。

茶髪だったけど、そんなこと関係ない。

あれだけ陽気に、明るく、愛があれば十分だ。

愛の力は偉大だ。


接客の原点をコンビニのお姉さんに教えてもらった。

私は彼女に弟子入りしようか、と一瞬思った。



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