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「街④」独特の空気を持つ街



名古屋


福岡出身の私にとって、名古屋は独特だ。

赤味噌
味噌カツ
ひつまぶし
きしめん


どれも、九州の人には馴染みが薄い。

ただ、地元が好きで名古屋から出たくないと思っている人が案外多いという点は、
福岡と似ているかもしれない。

名古屋の店といえば

名古屋で1番に思い出すお店が「江南」
中華の庶民的食堂だ。
今もあるのかはわからないが、先輩に連れられて夕方5時に行ったら、開店前に行列ができていた。
なんとかカウンターに座れたものの、後ろにはすでに待ってる人たちが座っている状態だった。
早々に食事を済ませ、次の店にいくのが当たり前の店だった。ただ、美味しい。
何を食べても美味しい。
エビチリ、麻婆豆腐など、食べるのが好きな先輩と一緒に行ったので、ジャンジャン頼んで客室乗務員らしく、早食いでたいらげた。


またテレビ塔の近くにあった、ドイツビールのお店。
ピッチャーがとてつもなく大きく、ここはパイロットの方々と一緒にみんなでよくいった。
そして1人で見つけた「おばんざいのお店」名前が「じじばば」
(カタカナだったかもしれない)
フラッと入ると、カウンターの上の大皿に様々な惣菜が入っている。
注文をすれば、一つ一つよそってくれる。
そのスタイルと、京風の味付けが好きで、1人の時によくいった。
ただその後名古屋に久しぶりに行った時にはもうなかった。
店主の方々が高齢の場合、お店がなくなってしまう率は当然ながら高い。

そして、名古屋に当時あったある外資系の航空会社の方々がよく集まるバーがあった。
先輩がたまたま連れて行ってくださり、行ってみるとクルーがたくさん。
そこでいろんなお話をするのが楽しかった。

救急車を呼んだ

夏の暑い日、みんなで食事に行こうと、エレベーターに乗って一階に着いてドアが開いた瞬間、向こうに立っていた女性が「ぱたーん」と倒れた。


びっくりして、「大丈夫ですか」と声をかける私。

持っているバッグを女性の足の下におく後輩。

おろおろしているご主人に「どうなさったんですか」と聞く後輩。


脈を失礼します」と言って脈を取ると、微弱。
ご主人によれば、さっきレストランで食事とビールを飲んで部屋に戻るところだった、とのこと。
ただ、その日外は大変暑く、その炎天下を歩いていたらしい。
すぐに意識は戻ったものの、頭を打っている可能性があると思い、「まだ起きない方がいいと思います」と言って、フロントに向かって「救急車呼んでください」と叫び、ホテルの人が呼んでくれた救急隊の人に、「脈は50くらい、最初は弱く、意識はすぐに戻りましたが、倒れた時に頭を打っているかもしれない」ということを伝え、ご主人は一緒に救急車へ。。。

この騒ぎで、キャプテンたちとの待ち合わせ時間に遅れたが、事情を話すと
「さすがだねー」とお褒めをいただいた。

空を降りても、こんな事態が起きると本当にみんなテキパキと動く。
「医療関係の方ですか」と、最後に救急隊の方に聞かれたが、「いえ、通りがかりのものです」と言っても、不審そうにしていたので、「客室乗務員です」というと、「あー」と言われた。

名古屋の気候と空港


冬は寒く、夏は暑いのが名古屋。
一種の熱中症のようなものだったのかな、と思う。

という話をしていて、思い出したのは、この名古屋空港は現在の県営名古屋空港。
小牧市にある、昔からの空港だ。
今はセントレアがメインとなっているが、その昔は小牧空港しかなかったのだ。
小牧空港の方が、実は市内に近いので意外と便利だ。
今小牧空港を拠点にしているのが、フジドリームエアラインズ。
こちらの会社を訪ねた時、久しぶりに名古屋小牧空港に降りることができた。

おしとやかな美しい先輩と

そして名古屋ステイの時に遠出をしたのは、「長島スパーランド」に行ったことだ。
先輩が「行かない?」と声をかけて下ったので、近鉄で出かけた。
なかなか面白いテーマパークで、十分に楽しめた思い出がある。

名古屋のイメージ

また名古屋といえば、名古屋城。
お花見の時期の今はきっと多くの人が訪れているだろう。
ただ、私はあまり行ったことがなく、名古屋といえばトヨタ。
名古屋といえば、4車線の道路、というイメージだ。
豊臣秀吉によって区画整理されたらしい街は立派だ。
そしてトヨタ王国。
タクシーがほとんどハイヤーなのも、驚いたし、夜遅くまで空いている屋台なんて
どこにもない、という、みんな地元民が多いから案外遊ばないのか、と思った記憶がある。

そもそも、屋台天国の福岡と比べたのが間違い。
同じく福岡出身の先輩と屋台を探して歩き疲れ、結局コンビニでカップラーメンを
買って帰ったのは良い思い出だ。

とんでもない大晦日


年末31日に名古屋ステイだった時に、無謀にも「熱田神宮に初詣に行こう」と言った私についてきた後輩たち。

行列に行列で、ホテルに戻れたのは朝4時。
そこから少しだけ眠って翌日の仕事に行ったのは、良い思い出だ。
(後輩は、迷惑な先輩だと思っていたかもしれない)
どこに行っても、じっとしていることがない、と改めて思う。


名古屋に行くと、いつも違う空気を感じる。


東京でもない。


大阪でもない。


もちろん福岡でもない。


独特の空気と食がある街。それが私にとっての、名古屋だ。


上野 博美


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