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7.2 各種SaaS/サービスの背後にある業務モデル

 Web/ネットが生まれてから、さまざまなツール/サービス/SaaSが登場してきて、いまもどんどん増えてきています。Webのシステム、htmlやWebサーバ、PHPなどのプログラム言語・プログラム実行環境は汎用的なWebを構築できる仕組みで高い自由度がありますが、逆に具体的なWebを実装するためには、たくさんの規定をしていかないといけないという面があります。

  WordPressのようなCMS、HubSpotのようなMA、あるいはSalesforceのようなSaaSは、特定の用途に限定することにより、htmlやPHPなどのプログラム言語を習得していない人でもWebページを制作してWebサイトを運用したり、営業アクティビティを管理するWebのサービスをカスタマイズすることが可能になっています。しかし、当然ながらそれぞれのツール/サービスには、表現できる内容に制約がありますし、設定することができるアクションも限定されています。

  そのような各ツール/サービスごとの制約/限定はそれぞれのツール/サービスが想定している用途・利用の仕方の「モデル」を想定してもっています。それぞれのツール/サービスはそのモデルに沿った使い方、表現しかできないという制約がありますが、モデルで規定されているところはhtmlやプログラムで規定する必要がなくなるので、用途がマッチすれば一から作るよりは簡単にできあがるというものです。
 
[CMSのモデル]
テンプレートのhtmlを登録すれば、そのテンプレートで可変となっている項目(ページタイトルやメインビジュアル画像、各エリアのタイトル、本文など)だけをツール管理画面から入力設定すればWebページができあがる
 
[MAのモデル]
Webサイトにアクセスしてくるユーザを管理して、各ユーザのアクションを記録/スコアリングしておき、ある条件を満たしたときに特定のWebページを掲載するとかメールを送るなどのアクションを行うことができる
 
[クラウド請求書作成ソフト: BOARDのモデル]
受発注にかかわる見積書・納品書・検収書・請求書を基本のテンプレートをもとにありがちなカスタマイズもできるようになっていて簡単に作成するとともに、各書面で重複する情報も多いので、一式情報を入れると各書面がまとめて作成することができるとともに、決裁のワークフロー機能も保持していて決裁されると捺印した書面をPDFとして保存することもできる
 
 ネット/Webができてから、各種ツール/サービス/SaaSが増え続けてきた流れは、別の観点からとらえると、ネット/Webの利用者が増え、使われる用途もどんどん増えていく中で、ツールやサービスを作ってビジネスになるレベルの需要がある業務 (業務モデル) が増えていくとともに、それぞれの業務モデルに対応したツール/サービス/SaaSが登場し続けていると認識することもできると思います。


Webディレクタとして次のステップをさがしている方たちへ

これからのWeb構築・Webディレクションとして、業務にまで踏み込んでディレクション/プロデュースすること、それが近年のバズワードであるDXにもつながること、そしてWebの進化とともにWeb構築の各種ツール/サービスやSaaSが広がってきていることにしたがって、業務とシステムの両面からWeb構築・運用していく人間が求められていくこと、そのためにどのような知識や能力を身に着けていくとよいかについて解説している「マガジン」です。