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3.6 アジャイルな設計プロセス

 いままで説明してきたプロセスは、業務要件から順番に設計・規定していくというウォーターフォールな手順でのプロセスを前提に説明してきました。一方で、アジャイル開発あるいはアジャイルな設計プロセスという手法があります。アジャイル開発とは迅速な開発を行うというイメージもありますが、繰り返し修正して実装するプロセスを行うことを前提としたプロセスです。

アジャイル開発

 各プロセスに期間もかけて検討漏れがないように設計も実装もテストも行うことにより品質を担保しようとするウォーターフォール型の開発では設計プロセスが完了して実装段階に入ったら設計の変更は認めないというやり方を求めます。しかし現実には、実装段階に入ってから設計の漏れに気がついたり、テスト段階に入って実際に動くものができて動作させることによりはじめて気がつく点があったりします
 新しい業務が頻繁に発生したり既存の業務が大きく変わるようなWeb構築にあたっては、業務自体を事前に漏れなく詰めることが難しいことも多く、特にベンダー側としてはコントロールすることができないことが多くなります。業務要件に漏れがあればもちろんそれをもとにしたシステム設計も不十分なものとならざるをえないので、スクラムのような手法を用いたいわゆるアジャイル開発を行うかどうかはともかく、実際に動くものを作って利用始めてから気がつく変更要件が出てくることは前提として、作り直すというプロセスまで含めたWeb構築プロセス・スケジューリングを行ったほうがクライアント側もどたばたしないですむやりかたではないかと思います。


Webディレクタとして次のステップをさがしている方たちへ

これからのWeb構築・Webディレクションとして、業務にまで踏み込んでディレクション/プロデュースすること、それが近年のバズワードであるDXにもつながること、そしてWebの進化とともにWeb構築の各種ツール/サービスやSaaSが広がってきていることにしたがって、業務とシステムの両面からWeb構築・運用していく人間が求められていくこと、そのためにどのような知識や能力を身に着けていくとよいかについて解説している「マガジン」です。