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父は仕事を家に持ち込まない人だった。仕事の愚痴を言ってるのをきいたこともないし、疲れたーと言ってる姿も見たことがない。(単純に平日に父に出会う機会が少なかっただけかもしれないけど)

父は僕が起きるよりも早く起きて会社へ行き、僕が寝た後に帰ってくるのが普通だった。僕が中学生くらいになってから、ようやく父の仕事が落ち着いたのか、夕飯を一緒に食べることは多くなった。それまでは基本的に土日にしか会わない人だった。

父は設計士だった。2級建築士までしか資格をとれなかったみたいなので、大きな建築をしてるわけではないが、店舗のデザインなどはしていたっぽい。銀座の三越とかそごうとかそういうところに入っている内装の仕事をしていたと思う。

父は高卒で大学には行ってない。最初は看板の絵を描く仕事をしていたと死んだ母から聞いたがホントかどうかは知らない。
父が勤めていた会社が東証2部に上場して、今は東証1部に上場している。父は上場前から勤めていた。持ち株だいぶもってたみたいなので、それでだいぶ儲かったっぽい。上場したのは、たぶん僕が小6か中1くらいの時期。株で家を3階建てに建て替えた(ローンも組まずに一括払いだったっぽい。3000万くらいみたいなこと母がいってたような……)。

自分が大学生のときに父と父の同僚や部下の人と一緒に飲む機会があった。そのときに部下の人に父が家ではどんな人か聞いてきたので

・父に怒られたことが一度もない
・父に反対されたことがない
・父はいつも応援してくれる優しい人

と言ったら驚かれた。どうやら父は仕事場では相当怖いらしい。
「めちゃくちゃ怒られてるのにーまじかーずりー」みたいなことを言っていたのを覚えている。そして部下たちに尊敬されている父の様子を見てとても誇らしく思った。

上記の飲んだ後だったかな。1年後くらいかな。

姉からめずらしく電話がかかってきた。父と母がケンカをしていて大変だと。一度父と話をしてほしいと。

どうやら父が仕事をやめる、辞めないみたいなことで喧嘩になってるっぽい。離婚するしないとか、そんな内容になっていて大変だと。

姉はしっかりしている人なので基本的に僕に心配かけないようにする。そんな姉が大変だと連絡してきたんだから、相当大変だったんだと思う。

当時、自分は実家からかなり遠くの地で一人暮らしをしていた。

電話で父と話をした。
今まで僕のことを反対しなかった父。だから今度は僕も反対はしない。

父が会社をやめたければ辞めたらいいと思う。
もし僕の学費のこととかそういうのを心配しているなら気にしないでいい。これまで十分助けてもらったので、そうなったときは自分でどうにかするしかない。父が決めたことなら僕は特に不満はないので、好きに決めてほしい。

みたいなことを伝えた気がする。

その話を聞いて父は会社を辞めるのをやめたらしい。結局定年まで勤めあげたし、なんなら定年後もフリーになって勤めてた会社から仕事をもらってた。高卒で入社した父も定年退職時は部長までなっていたっぽい。

僕が社会人となり父とお酒を飲む機会が何度かあった。その時はすでにフリーで働いていた父。どれくらい月にもらってるのか聞いたら当時の自分の給与の3倍くらいあった。というか今の自分よりも多いな……

「そんなにもらってんの?」
『それだけの実績を積んでるし、経験もあるからな』

と、さらりと言った父はとてもカッコよかった。

僕が課長になったときに父に報告したら助言をくれた。今まで反対もしないし意見も言ってこない父が初めて僕に助言をしてきた気がする。それも仕事について。

「課長か、、、それなら数字は強くなったほうがいい」

当時は意味がよくわかってなくて、理系でもあったしデータ分析とかもしてきたので数字は扱えるだろなーと思ってた。だから「大丈夫だよ、数字強いもん」みたいな返事をしてた。

今、部長より上の立場になったから、父のいう「数字に強くなれ」の意味は、よくわかる。数字を扱えない人は経営やチームマネジメントなんてできない。父は的確なアドバイスをしてくれてたんだなと思う。

だから僕が一番尊敬している人は父

とりあえず役職は父を超えられたけど、年収はまだまだ父を超えられていない。バブルの当時の年収と比べるのも違うのかもしれないけど、やっぱり父の年収は超えたいなと思う。

子育ても父のようになりたい。と思ってたけど、もう無理w
僕は、すごく怒るし、子供に対して父みたいに落ち着いていられない。子育てしてると当時の父は仏様だったんじゃないかと思うくらい怒らなかったな… ただただ見守るだけってのは難しかったはずなのにすごいなと思う。

とこんなこと書いてると父死んだみたいな感じだけど、元気です。今週末に実家に帰って1年ぶりくらいに父に会うのでなんとなく書いてみた。


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