【やれば、できる。(小柴昌俊)】うえこーの書評#56

去年亡くなられた小柴昌俊さんの自伝。

朝永振一郎先生や山内恭彦先生、南部陽一郎先生などそうそうたるメンバーに師事しており、人の縁の重要性を改めて認識した。

 以下はこの本で一番印象深い文章。

 ぼくは、分からないことがあると、必ず専門家に意見を聴きに行くんです。
 これはひょっとして、ビリで大学を出たことと多少関わりがあるかもしれません。
 自分が分からないことは、分かる人の話を聴くーそんな姿勢が、成績優秀な優等生には案外欠けているんですね。しかし人間一人でできることなど高が知れている。ぼくの姿勢が素直とか謙虚とかいうのではなく、専門家の話は聴いたほうがいいに決まっているという単純なことだと思います。
 ただ、なんでもかんでも聴けばいいというんじゃない。聴く前に、左から右から、上から下から、内から外からと、とことん考えるんです。
 自分なりに時間をかけて考えたうえで「分からない」と思ったことを専門家に聴くと、たとえ目に見えた成果がなくても、すごく良い勉強になるものなんです。(p.68)

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