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【医師解説】ブルーベリーの効果が思っていたよりもすごい

こんにちは、医師ライターの植木です。
みなさん、ブルーベリーってふだん食べますか?
私は毎朝食べてます。
「そんなに効果ないんじゃない?怪しいよね」
「意識高い人だけが食べるイメージ」
「なんか目がよくなるって聞いたことがあるけど…」
こんな声が聞こえてきそうですね。
安心してください。
ブルーベリーは栄養素たっぷりなので、いろんな効果が期待できますよ。
ここからは、ブルーベリーのさまざまな効果と正しい食べ方について、医師である私が詳しくお伝えします。
それでは見ていきましょう。


ブルーベリーのいろいろな効果


そうだよね!よく知られたブルーベリーの効果

  • 食物繊維が豊富

果物の中でもブルーベリーは食物繊維が豊富です。
食物繊維は腸をととのえたり、血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑えてくれたりします。
近年、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルの五大栄養素に対して、食物繊維は第六の栄養素としても注目。
積極的に食事にとりいれていきたいですね。

  • ミネラルが豊富

ブルーベリーには鉄分や亜鉛、マンガンなどのミネラルが多く含まれています。
鉄分は貧血の改善亜鉛は代謝を助けマンガンは骨を丈夫にしてくれるのです。
こういったミネラルは他の食材でもとれますが、ブルーベリーは一度にたくさんのミネラルが補えるので効率がいいですね。

  • 抗酸化作用で肌がキレイに

なんと、ブルーベリーは肌をキレイにしてくれます。
これにはビタミンEやアントシアニンによる抗酸化作用が関わっていて、メラニンの生成をおさえることでシミができにくくなるのです。
実際に、抗酸化作用による美肌効果をねらって、サプリメントがたくさん作られていますよ。
ブルーベリーを食べたらサプリメントも買わずにすむので節約になりますね。


そんなところまで!?知られざるブルーベリーの効果

  • 集中力や記憶力を改善

ブルーベリーを食べることで、集中力や記憶力も改善されます。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンが脳の海馬に作用して、老化による記憶力の低下をおさえてくれるのです。
さらにアントシアニンは脳の血流を増やすことで、集中力も上げてくれます。
ブルーベリーは、脳へのよい作用も期待できるんですね。

  • ブルーベリーは糖尿病予防に効く

ブルーベリーには果糖があるにもかかわらず、糖尿病の予防に効くこともわかっています。
ここでもアントシアニンの登場ですが、アントシアニンが体内のインスリンへの反応性を改善してくれるので、血糖値のコントロールがよくなるのです。
ある研究では2型糖尿病リスクが23%低下したと報告されています。
ただし、血糖値のコントロールが不安定な方は、病院で定期的にみてもらうことが最優先なので、あくまで予防だというところはおさえてくださいね。

  • ブルーベリーは心臓を守ってくれる

ブルーベリーは心臓にも効果があります。
ある研究によると、毎日150gのブルーベリーを食べた人は、対照群に対して循環器疾患のリスクが15%低下したと報告されました。
これにも、ブルーベリーのアントシアニンが関わっているとされています。
私の家系は循環器に病気をもつ流れがあるので、身近に心臓に効く食べ物があるのがありがたいです。

  • ブルーベリーは膀胱炎にも効く

ブルーベリーは膀胱炎にも効くといわれています。
膀胱炎は女性が発症しやすく、若い人から高齢の人まで悩まされる病気です。
膀胱炎には尿路殺菌作用をもつアルブチンがはたらき、ばい菌が膀胱内にくっつくのを防いでくれます。
膀胱炎になりやすい人は、ブルーベリーが救世主になるかもしれませんね。


ブルーベリーを食べると目がよくなるのは本当?

ブルーベリーを食べると目がよくなる、というのは昔から言われてきました。
結論としては、「目にいいという報告は少なからずある」ということ。
今までヒトでの研究報告が少なかったのですが、2015年に機能性表示食品制度がはじまってからヒトでの研究報告が増えてきました。
そのなかで、アントシアニンが目のピント調節力を改善したり、目の疲労感をやわらげるということがわかってきています。
今後、研究が増えるとより明らかになっていくでしょう。
期待大ですね。

ブルーベリーの正しい食べ方



ブルーベリーは1日どれくらい食べればいい?

ブルーベリー自体の明確な摂取基準はありません。
しかし厚生労働省は、果物を1日に200gとることを推奨しています。
ブルーベリーは1粒が2gほどなので、100粒食べるとだいたい200g。
ただ、100粒も食べたらおなかの調子が悪くなる可能性があります。
なぜなら、ブルーベリーは不溶性の食物繊維を多く含んでいるからです。
不溶性の食物繊維は便の通りをよくするので、ブルーベリーを食べすぎると逆効果に。
ブルーベリーだけじゃなく、他の果物と合わせることで200g を確保しましょう。



冷凍ブルーベリーor生ブルーベリー?

おすすめは冷凍ブルーベリーです。
一つ目の理由は保存がきくから。
生のブルーベリーは冷蔵しても保存期間は1週間ほどです。
しかし冷凍にすると半年から1年ぐらい長持ちするんです。
そして二つ目の理由は、冷凍ブルーベリーの方が栄養価が高いから。
ブルーベリーを冷凍すると細胞がこわれます。
細胞がこわれることで抗酸化物質であるアントシアニンの吸収率が上がるんです。
なので生のブルーベリーも冷凍すると、栄養価が高くなり、効果がより期待できますよ。
そのまま食べるのも美味しいですし、ヨーグルトやシリアルに入れても楽しめます。
ブルーベリージャムを作ってみてもいいかもしれませんね。



まとめ

いかがでしたでしょうか。
ブルーベリーにはたくさん効果があることがわかりましたね。
冷凍にするメリットも多く、冷凍庫には常備しておきたいところです。
ブルーベリーの旬は6月から8月にかけてなので、ちょうどこれからのシーズン。
食べてみたら、ぜひおしえてくださいね。

参考文献
健康日本21(第三次)について~栄養・食生活関連を中心に~(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001122156.pdf)(2024/5/13閲覧)
Yang S, Wang C, Li X, Wu C, Liu C, Xue Z, Kou X. Investigation on the biological activity of anthocyanins and polyphenols in blueberry. J Food Sci. 2021 Feb;86(2):614-627. doi: 10.1111/1750-3841.15598. Epub 2021 Jan 18. PMID: 33462807.
Lamdan H, Garcia-Lazaro RS, Lorenzo N, Caligiuri LG, Alonso DF, Farina HG. Anti-proliferative effects of a blueberry extract on a panel of tumor cell lines of different origin. Exp Oncol. 2020 Jun;42(2):101-108. doi: 10.32471/exp-oncology.2312-8852.vol-42-no-2.14766. PMID: 32602283.
Peter J Curtis,et al, Blueberries improve biomarkers of cardiometabolic function in participants with metabolic syndrome—results from a 6-month, double-blind, randomized controlled trial. The American Journal of Clinical Nutrition,Volume 109, Issue 6,2019,Pages 1535-1545,ISSN 0002-9165,https://doi.org/10.1093/ajcn/nqy380.

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