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駄菓子屋の消滅
実在していたのかどうか、どうしても確信が持てない駄菓子屋がある。
多分、小学校6年生の時のことだ。
その日は、塾がある日だった。
平日の午後4時から5時頃だろうか。
塾に行く前に、同じ塾に通う友達とある駄菓子屋に寄ったのだ。
僕はその駄菓子屋に寄るのは初めてのことだった。
なぜなら僕と友達が通っていた塾は、隣の隣町といったところにあり、その駄菓子屋はそこらへんに位置していたからだ。
一方で、友達はその駄菓子屋に何度か通ったことがある風な感じだった。
駄菓子屋の外観や内装は殆ど覚えていない。
買った駄菓子も、具体的に何を買ったのかやはり覚えていない。
しかし、そこに行ったという記憶だけは確かにあるのだ(断片的で曖昧ではあるのだが)。
だが今現在、Googleマップで調べてみても、その近辺には駄菓子屋は一軒も存在していないのだ。
少子化かなんかが原因で潰れてしまったのだろうか。
あるいはこの駄菓子屋に関する記憶は夢で、最初から存在していなかったのだろうか。
実際に先月、それについて気になった僕は自転車で、その駄菓子屋があったと思わしき場所を軽く散策してみた。
やはりそれと思わしき店はどこにもなかった。
実在していなかったのか、あるいは実在していたのか。
真相はどちらなのか分からない。
その駄菓子屋に一緒に行った友達とは数年以上連絡を取り合っていないだが、そのことについて尋ねてみるのも悪くないかもしれない。
ただ僕の中でこの出来事は、これまでに自分が経験したミステリーの一つとして留めておきたいという想いも、ちょっぴりあったりする。
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