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列車が発車したのはわかっていた。 だって、「ファーン!!」っていう大きな警笛の音が、…
自動販売機の扉を開けると、その向こうには『昭和40年代の世界』が広がっていた。 * * …
ティムは五十代半ば、白髪混じりの恰幅のいい男で、私に優先して仕事を回してくれる重要な顧…
ここ最近、逆回転寿司で客による不正が多発していた。食べ終わった皿がレーンに戻されている…
その日の夜、僕はいつもの習慣として家を出て、港まで出歩いていた。 小さな港町に住む僕…
「じゃあね〜っ、紗良っ」 「また明日ね〜」 「うんっ、バイバイ〜」 志穂と成美と別れた…
「あかん、あかん、漏れる、漏れるっ!」 近藤宗伸は走っていた。公園を一心不乱に、小さな四角い建物に向かって。 彼が走り出す先にある建物、それは紛れも無くトイレだ。 午後の営業回り中に、突如腹を痛めた彼は、急遽近くの公園内のトイレに駆け込んだのである。 彼の車は、その公園に沿った通りに路駐してあった。 近藤は二つある内の、奥の洋式トイレの個室に入っていた。 『ブリブリブリブリ』 「ふぅ〜、間に合ったぁ。」と近藤は呟いた。 しかしその彼の安堵も、ほんの束