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私立大学の課題 ー大学認証評価の実地調査ー

大学認証評価の実地調査。
文科省が認定している認証評価機関から委嘱を受けて評価員として、大学の認証評価を担当。毎年、6月から書面調査を開始して、書面質問、回答を各何して、11月頃に実地調査を行う。2泊3日で緊張の出張である。

今回はチーム団長なので、なかなか大変。定年退職して再雇用の身分ですが、これまでの経験が活かせるならと、評価機構の依頼を受け引き続き委嘱を受けている。

少し話はずれますが・・・、
高等教育は、厳しい時代。
地方、小規模の私立大学の定員未充足が目立つ。経費の大部分を、学生が納付する授業料に依存している私立大学。入学者が減ると途端に経営に影響する。

どんなに素晴らしい教育をしていても、都市部、大規模大学に学生は集まっていく。更に、授業料が安い国立、公立に集まっていく。

地方、小規模でも良い教育をしている私立大学は、沢山ある。しかし、国立公立には、授業料でかなわない。

高校は、授業料無償化で、公立が定員割れして私立に集まっている地域もある。進学先が、教育内容で選ばれ始めた証しかもしれない。地方の私立が、必至に教育改善、特色教育に努めた結果なのかもしれない。

地方の大学は、教育内容や質が悪いから学生が集まらないわけではない。もちろん集まっていないので、学生のニーズに合っていないことは確かだが、高校生が、大学の教育内容や質だけで大学を選んでいるわけではないと感じる。学生生活を充実したものにするために、必要なものは大学以外の環境などにも大きく影響される。
地方が過疎化になるとの同じである。
地方の都市は、人口減少が続き財政が厳しなっているところも多い。地方大学の学生募集と共通点があるように思う。

様々なことが都市へ集中?吸収されている。この先、どうなっていくのだろう。

そんなことを思いながら、認証評価の実地調査に出かける。
本当に、学生を大切に育てようと、教育内容に工夫が見られる。しかし、定員は未充足。大学も短大も収支が赤字となっている。
私立は学生の授業料収入が財源のほとんどであるので、学生が集まらないとすぐに経営が圧迫される。決して放漫経営が原因ではない。
地域に根ざし、地域にも貢献されている。併設の短大は多くの保育士を育て、地元に排出されている。その短大が、経営上のスリム化から募集停止を予定している。地元の保育士はほとんどがこの短大の卒業生だそうだ。

この先、この地域において保育士の確保は、大きな課題となるだろう。その結果、この地域の子育ては難しくなり、都市部への流出が加速するのだろうか。

大学教育や経営管理を評価するときに、やるせない気持ち出一杯になる。
私立大学だけの努力ではどうにもならない課題だと感じる。



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