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【野球】「野球観てぇ」と息子が言った

父親とプロ野球に行ったのはいつの頃だっただろうか?
家族で、川崎球場の大洋対中日戦だったような気がする。
試合結果はわからなかったが、ホエールズの野手、シピン選手がヘルメットをかぶりながら守備についていたことを覚えている。
それから間もなくして、地元、横浜にスタジアムが完成。
横浜大洋ホエールズの試合も、何度か、父親と観に行ったものの、あんまり記憶がない。中学生にもなると、親よりも友達と観戦するようになった。

 1.「野球を見たい」息子
今年、中学2年になる息子が「プロ野球が観てぇ~」と言い出した。
プロ野球、Jリーグ、Bリーグと、ひととおり、地元のプロスポーツの観戦に連れていったものの、野球だけは、彼の琴線に触れたらしい。
折しも、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)をスマホで観戦して、すっかり野球の楽しさに見せられたという。
息子の野球熱が冷めないうちにチケットを確保。
5月7日のマリーンズ対ホークス戦を申し込んでいたものの、雨で中止になった。
ゴールデンウィークの最期の日、息子と野球で想い出づくりを考えていた。
けれども(ドーム球場でない)ZOZOマリン、雨天中止なら仕方ない。
急遽、チケットを取り直して、6月23日の、マリーンズ対ファイターズ戦を確保。
これまでも、息子とは何度か野球観戦に行ったが、嫌がる息子を、無理やり父である私が連れて行った感がある。
ところが、WBC以来、息子から「野球が観たい」と自発的に言ってきた。
私の人生を振り返ると、中学が父親と一緒に野球観戦するリミットである。
もっとも社会人になって、自分が「父親」になってから、息子の「祖父」となった、私の父と再び野球観戦をしたことがある。
マリーンズ対ベイスターズの交流戦。
尊敬する文化人・みうらじゅん氏の提唱する「親孝行プレイ」に感化されて、ちょうどこの頃、私や友人たちの間で「親孝行」がブームとなる。
そして、私は、親孝行の一日として、地元のラーメン屋に連れて行くことと、先祖の墓参りをすること、そして、夜は、千葉マリンスタジアムでプロ野球のナイターという考えつくまま、「至れり尽くせり」のツアーを実行したいのだった。
地元のラーメンは、父は「期待したほどではない」と言っていた。墓参りには、「お父さんもココに入っていいよね」と「同意」をしてもらった。
(まさか、それから一年後、本当に父は、この墓に埋葬されることになるとは!)
そして、野球観戦。幕張本郷駅からバスに乗り、マリンスタジアム(当時は、QVCマリンと呼ばれていた。現在のZOZOマリン)へ行く。
お弁当を食べて、5回の裏が終了して花火を見て、「さあ、帰ろう」といって、足早に球場を後にしたことを覚えている。
(そういえば、私の父はせっかちで、野球をゲームセットまで見届けたことがない。いつも「途中で帰ろう」と言い出すのだ)
思えば、あれが、父との最期の野球観戦だった。
高校生になり父と距離を置き、社会人(自分が父になって)になって、再び父と野球観戦を再開した。

親子で野球観戦・マリンスタジアム

 2.父になって観戦
自分の息子が中学生。ZOZOマリンでプロ野球が観たいと言ってきた。
おそらく、彼も私から巣立っていき、友達や恋人と野球観戦をするのだろう。
だから、息子から(実質的に)招待された今日のゲームを楽しみたい。
球場へは、私の運転するスクーターで行く。
学校から戻って来た息子をピックアップして、いざZOZOマリンへ。
「もちもちポテトが食べたい」というので、一緒に並ぶ。
おかげで試合開始寸前まで、ポテト並びであった。
正直、妻との野球観戦に比べて、息子と二人では気を遣う。
妻は、ビールを飲んだり、グルメを楽しんだり、スタジアム内をふらふらとしたりと、自分の楽しみ方を知っている。
一方、息子は、まだ、ひとりで買物することもできない。
だから、ポテトだろうが弁当だろうが、私が一緒につき合う。
とりあえず、「もちもちポテト」で腹を満たした私たちは、本日のイベント、習志野高校吹奏楽部によるパフォーマンスを見届け、1回表裏を見てから(種市投手が先制点を浴びる)、1階の選手コラボ弁当を買いに行く。
ところが、1回終了時点で、すでに「ステーキ弁当」しか残っていない。
(やはり、弁当確保は、試合開始前に購入を済ませておきたい)
息子とふたり、スタンドに戻り、お互い「ステーキ弁当」を美味しくいただく。
弁当に添えられていた「トレーディングカード」は、私は山口選手、息子は澤村投手だった。この日、澤村投手の登板は結果的には無かったものの、知っている選手の「トレカ」を当てて、喜んでいた息子であった。

「もちもちポテト」がお気に入り

 3.負けても楽しい…
試合は、終始、ファイターズが先行。途中は、霧雨が降ってきて、雨支度のない私たちを苦しめた。(2階席の2番目に陣取る。屋根もなければ、安全柵が観戦の邪魔になる)私たち親子の応援する「マリーンズ」は、惜しいチャンスはあるものの、結局、5対3で敗北。習志野高校吹奏楽部のパワフルな「爆音」応援むなしく、勝利というわけにはいかなかった。
それでも、息子が終始、「すげぇ楽しかった」と言ってくれたのが忘れられない。
バイクで帰宅。家に戻っても、ずっと息子は、スタジアムで聴いた選手の応援歌を歌っている。
息子とは、あと何回野球観戦に行くのだろう…。
時間に余裕があれば、野球の試合だけでなく、グッズやグルメも楽しみたい。
やがて君が父になったら、僕の孫になる君の息子を野球に連れってあげておくれ。 

「楽しかった」と息子。

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