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【バイク】ベスパに乗って印旛沼ウナギ街道を行く

1.印旛沼のウナギを求めて

「印旛沼には美味しい『うなぎ屋』がある」
そんな言葉をどこかで耳にしたことがある。
ウナギには目がない私たち夫婦。
週末は、うなぎを求めてツーリングを計画。
「印旛沼 うなぎ ツーリング」でサイト検索をすると、印旛沼の東側に「うなぎ街道」なる、数軒のウナギ屋さんが乱立している箇所を知る。
調べてみると、街道近くには、「麻賀多神社」や「宗吾霊堂」など、みどころも豊富である。待ちに待った三連休の初日。ウナギを求めて、印旛沼方面に、ベスパに乗って出発した。
時間があるので「成田街道」をひたすら東へ。
佐倉市内を超えると、印旛沼の西側に沿って、ベスパを飛ばす。
コンビニで水分補給をして、沼の外周道路を走る。休日ともあって、ツーリングをしているライダーたちとすれ違う。この辺りは民家もなく、本当に千葉県なのかと疑うほど…。
成田スカイアクセスと並走する道路を走る。線路の向こうには、沼の湿地帯が広がり、緑の藻のカーペットの上に、白鷺(シラサギ)が何羽も足を止めていた。

ベスパに乗って印旛沼ツーリング

2.麻賀多神社の大スギ

佐倉の麻賀多神社には、一度いったことがある。
けれども、こんなに京成佐倉駅から離れたところではなかった。
しかし、これは「麻賀多神社」違いであり、以前、訪れた街中にある「麻賀多神社」は「奥の宮」と呼ばれる。
今回、バイクで訪れたのは、「表の宮」といわれる、印旛沼近くの杉林に囲まれた静かな社であった。
駐車場にベスパを止めて、まずは参拝。手水舎(てみずや)は、湧き水なのか、ひんやりとして気持ち良い。鋼鉄の龍神が水を守っていた。
木造建築の本堂で参拝したあと、目に飛び込んで来たのは、「東日本で一番の大スギ」。やはり、圧巻のひとこと。
見たことはないが、屋久島の縄文杉をイメージできるといっても過言ではない。ご神木であるらしく、スピリチャルスポットとしても有名らしい。
杉の枝から太陽の光が差し込む。まさに「神秘」の瞬間。
この杉を見に来ただけでも、バイクで来た甲斐があった。
熱心にお願いをする参拝客もチラホラ見かけた。
境内の付近を散歩。外は灼熱の気温だが、麻賀多神社の周りだけは、杉やヒノキに囲まれ、ひんやりとした気分になる。
イノシシを捕獲するための「仕掛け装置」があった。
こんなところでイノシシに遭遇したら、どうしようかと不安がよぎる。
また、本堂の裏手側には、昭和レトロと今時のナチュラル系ドックランを配置している古民家カフェも開店している。
ちなみに、麻賀多神社の御朱印記帳は、5日と15日に限られている。
三連休の初日とあって、行楽日和と思いきや、「第三駐車場」まである神社は、比較的閑散としていた。
きっと、日取りが良い時は、人出がに賑わうのだろう。

大迫力!麻賀多神社の大杉

3.義民ロードと宗吾霊堂

麻賀多神社と宗吾霊堂を結ぶルートは「義民ロード」を名付けられている。
義民、木内(佐倉)惣五郎の由来である。
京成電車に乗ると「宗吾参道行き」の電車をしばし見かける。
京成といえば、成田山が有名だが、宗吾参道(宗吾霊堂)というのも、沿線住人としては気になる存在であった。
「宗吾霊堂」とは、重税に苦しむ農民を救うため、徳川将軍に「直訴」(ぎきそ)して、処刑させらた人物、木内惣五郎(佐倉宗吾)を祀(まつ)る寺院である。
成田山の華やかな門前町とは違い、宗吾霊堂から駅前に伸びる参道は、どこか「落ち着き」を感じさせる。
こちらも本堂へ参拝。
本堂奥には、佐倉宗吾の生涯をつづる「宗吾御一代記館」がある。
入り口の「等身大」の人形が、怖くてしかたない。
「一大パノラマ」「66体の等身大人形」という触れ込みも、「怖さ」を倍増している。
もちろん「怖い物見たさ」や「ツーリングの思い出づくり」といったことで入館したい気持ちもあるが、正直言って、700円という入館料、(ふたりで1,400円)、さらに所要1時間というボリュームに値を上げて、今回は、パスした。なにしろ「パノラマ館」の周囲には、我々意外には、人っ子ひとりいないので、ここは「大事」を取って、今回はパスした。

静寂な宗吾霊堂

4.旅の楽しみは「うなぎ」

義民ロードをバイクで走ると、「直訴道」という表記に出くわした。
義民ロードにせよ、直訴道にせよ、そのネーミングセンスには、複雑な思いがする。
宗吾霊堂を折り返して、再び、麻賀多神社方面に戻り、印旛沼の西側に出ると、うなぎ屋が点在しており、かば焼きの香りに誘われる。
まだ11時過ぎだというのに、人気にお店には、人だかりが出来て、マイカーの通行もままならず、ちょっとした「うなぎ渋滞」が起こっていた。
バイクといえども、渋滞の影響を受ける。
さらに、うなぎを焼く「匂い」や「香り」を直に感じることができるのは、バイクの旅ならでは…。
ツーリング客としては、印旛沼漁業協同組合直営レストラン「水産センター」が、駐車場も広く、ライダーにとって、優しいお店であることが直感できた。
11時半、すでに、店内は満席で、ミストの降りかかる店外の待合所で順番を待つ。
そして、いよいよ、店内へ。ちょうど12時を過ぎて、お腹も空いてきた。
私は「うな重の上」、パートナーは「うな重の並」を注文。
「並でいいの?」と聞くと、「上との違いを確かめたい」と返答していた。
たしかにそれはある。
聞いた話では、どこぞやの出前では、並を「上」として、出し続けた店があるらしい。
水産センターは、そんなことはせず、並と上の格の違いは、うなぎのサイズが違っていた。どちらも「肝吸い」が付いていた。相方の話では、「並でも十分、満足のいくボリューム」だという。
「なぜ特上にしないのか?」という問いに対しては、「そんな上流階級の人間ではないので…」とおどけて応える私。
街中のうなぎ屋もいいけれど、こういう漁業組合直営店も良い。
うなぎの皮が、ご飯に絡みつく。それをまんべんなく染み込ませたタレと一緒にいただく。ああ、何よりもこの至福のひととき。

ライダー歓迎?!の「水産センター」

5.まとめ(さよなら印旛沼)

浜名湖もいいけれど、近場の印旛沼もいいね…。
おいしい「うなぎ」を食べたければ、自宅近くの料理店も良い。
けれども、炎天下の中、バイクを飛ばして、神社寺院をお参りして、旅の思い出に、うなぎ料理にありつくのも、楽しいひとときである。
印旛沼を後にして、帰路は、成田スカイアクセスと並走する。
これからも、バイクと御朱印とウナギの旅が続いていくのだろう…。

義民ロードは直訴道?!


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