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ウォンバットが四角いうんちをする仕組み

「ハダカデバネズミの唄」に続く“動物の(ファニーな)不思議”シリーズ第二弾。あ、「トガリネズミの脳が縮む話」も加えれば第三弾か。ともあれ今回登場するのはオーストラリアの大平原やユーカリの森に棲息する哺乳類ウォンバット。ただし主役はそのうんち。参考リンク先の写真でご覧になられるとおり、見事に直方体をしたブツが一日に100個近くも“生産”されるそうな。

なんでこんな形になるの?ケ◯の穴は丸いのに??と、不思議に思ったジョージア工科大学の研究者が、タスマニア大学の研究者と共同でウォンバットの腸を調べてみた。すると、ところどころ厚みと柔らかさが異なるでこぼこした構造になっているのを発見した。彼らはその情報を元に二次元数理モデルを作成し、この部分が消化のリズムにしたがってどのように伸縮するかシミュレーションしてみたところ、硬い部分は早く縮み、柔らかい部分はゆっくりとしぼんで消化物にカドを作ることを見いだした。他の哺乳類の腸はどこも同じ厚みと柔らかさなので、ブツは一定の速度で推し進められるが、ウォンバットの場合は進んだり滞ったりを繰り返すうちに直方体に成型されるというわけだ。

OK分かった、でもなんでウォンバットはわざわざそんな構造の腸を進化させ、四角いうんちをするようになったの?この疑問については、ウォンバットはうんちを縄張りの目印として“置いて”いくので、岩場などから転がり落ちないようにするためではないかと推測しているとのこと。

ではまたこの研究の面白いところをふたつみつ:
・四角いうんち!
・その謎に挑んだのが、動物学者や生態学者ではなく生体工学のセンセイ?!
・その成果を発表した学術雑誌のタイトルが“Soft Matter”(柔らかいもの)というオチ

今年のイグノーベル賞の有力候補だね。

参考リンク

(本記事は、上記リンク先の内容を、筆者独自の感想を交えながらかみ砕いて解説したものです)





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