juke/footworkとsatanicpornocultshop(中編)
今回は2012年の出来事を整理していきますが、この年は日本のジューク界隈にとって重要なトピックも多いので2回に分けようと思います。
まず、1月20日にKEITA KAWAKAMI主催の「Dress Down」に出演。
DRESS DOWN 〜3rd ANNIVERSARY PARTY〜 - nunulaxnulanの、ニュースの解説
1月31日に「hellasick ep」をbootytuneよりリリース。jukeスタイルになってセルフレーベルの「neji」以外からの初のリリース。
3月9日にep2作品「7'inches or more...」「Salò o le 160bpm di Sodoma」を同時リリース。
neji-128のほうはサドの「ソドム百二十日」とjukeの特徴のひとつである「BPM160」をひっかけたタイトル。澁澤龍彦ネタだと思われます。以前からのサタポの色である、猟奇的で気色悪いサンプリングが炸裂しています。
同日「Juke Slide #02 」にサタポのバイナルマンが出演してプチリリースパーティーに。
4月1日にmerry worksのjukeコンピレーションCD「BOOTY BOOTY」に参加。
同月13日に「Juke Slide #03 」にサタポのesrekoが参加。
4月23日にデジタルアルバム「anti-buddist」をリリース
このタイトルですが、buddismでなくて現代日本におけるbuddist批判のようです。
同月25日にe-zine「kayano_soto」にて「JAP FOOTWORK」特集。サタポのロングインタビュー掲載。メンバー自身が近作の解説をしている。まだ読めます!
4月29日リリースの「Japanese Juke&Footworks Compilation」に参加
なぜかサタポは sata肉pornocultshit 名義でBPM16,000のグラインドコアで参加。meat shitのJuke out??
D.J.Fulltono「いろんなバックグラウンドを持つ人が参入しやすかった理由のひとつとして、食品さんとケニーがコンピを作ろうっていって、トラックを募集したんですよね。送られてきたトラックは全部収録されるっていうので、めちゃくちゃ来たと」 食品まつり「そうなんです。2012年の春頃にちょうどTwitterでケニーさんとBooty TuneのAKIOCAMさんとで日本版の〈Bangs & Works〉みたいなのがあったらいいねという話をしたら、〈だったら作りましょうよ〉となって」
…ココに収録された楽曲数は多過ぎる。そしてクオリティのバラつきが甚だしく、このジューク・トラックの集まりを一つの作品として捉えることは、正直苦しい。そして、玉石混合なモノを一括りにして「Japan Footwork」とするには乱暴だという見方もある。ただ、Jukeを手探りしているビート・メイカー達がツイッターの何気ないやり取りをしている内に発案されたこの音源集は、発展途上にあるJap Juke / Footworkの序章を完結する、という大きな意義があると感じる。
5月11日に「Juke Slide #04 」に再びバイナルマンが出演。
ちなみに当時このイベントは会場が非公開でした。以下のtofubeatsのインタビューに当時の大阪のクラブシーンの様子が語られています。
6月5日には、世界のjukeを紹介するFree DLのレーベル「World Wide Juke」の4枚目に参加。
7日には、KEITA KAWAKAMIが立ち上げたレーベル「KOOL SWITCH WORKS」のコンピ「WITCHCRAFT EP」がリリース。この作品はサタポが変名で参加していて、それは後に出るアルバムに収録される事で明らかになりました。
7月25日に名古屋のTHANKS GIVINGからもjukeコンピ「Footwork on Hard Hard Hard!! 」がリリース。サタポはデジタル版のエクスクルーシブとして参加。
このコンピは1993年にエイベックスから出たロッテルダムレコードのコンピのオマージュにもなっていて、それを意識したトラックもいくつか見られます。
7月31日にデジタルアルバム「Battle Creek Browl」をリリース。
フットワークスタイルを取り入れ始めて1年未満で日本を代表する地位をあっという間に確立してしまった。しかし彼らをJukeのバンドと言うには安直というか申し訳ないというか、JUKE/FOOTWORKスタイルはあくまでも自分たちを表現する為の一つの手段に過ぎない。突き抜 けたアイデアはいつもファンを驚かせてくれる。 以前、メンバーのUgh Yoingと話をさせて頂いた際、3時間中2時間はジュークのリズムの構造分析についてで、その発想 がどう作品に反映されるのか、期待する半面僕はちょっとビビッていた。その実験の結果が随所に散りばめられているのが先日リリースされた「Battle Creek Brawl」これは世界をひっ繰り替えせるほどのパワーを備えた傑作と断言できるので音の一つ一つをしっかり聴いてみて欲しい。(D.J.Fulltono)
2019年現在は、諸事情で配信されていないみたいですね。この後リリースされるベスト盤「AtoZ!!!!!!」に再録されるも、そのCDも初回プレス限定で即完売。なのでここでの収録曲は現在入手が難しい。
8月24日は「Battle Creek Brawl」リリースパーティーも兼ねて「Juke Slide #06 」にサタポが出演。ちなみにJuke Slideはこの回で一端終了しました。
「Battle Creek Browl」はジャケ画像も非常に良かったので、サタポにお願いしてTシャツ制作を担当させてもらいました。
ちなみに同名のジャッキー・チェンの映画があります。シカゴが舞台なので引用したと思われます。
最後に余談ですが、この年に行われた「Juke Slide」というパーティー名について。これはDJ STAK CHIPの曲から取られています。
DJ STAK CHIP - PIMP WALK ( GHETTO JUKE SLIDE ) OFFICIAL VIDEO
未発売のプロモ盤しか存在しないらしいんですが、色々経緯があってBootytuneからリリースされています。詳しくはbandcampの当該ページに書かれています。