見出し画像

渋野日向子「写真集」初版50万部で印税2億円がありえない理由

全英女子オープンの2019年の覇者、渋野日向子さん。

仰天ニュースが飛び込んできました。

極小ビキニ写真集を発売するというのです。

報道によると、老舗出版社が初版部数50万、

ギャラ(印税)2億円で落札したというのです。

これは出版関係者からみると、

ありえない話なのです。

その理由を書いていきます。

収支構造がまったく成り立たないのです。

まず、初版で50万部つくったときの収支です。

写真集の値段は2,000円前後です。

田中みな実の「Sincerely yours…」と

白石麻衣「パスポート」は税抜き1,800円です。

渋野日向子の写真集を計算しやすく、

2,000円とします。

・2,000円 × 50万部 = 10億円

です。

ここから10億円の内訳です。

・書店 22% 2.2億円

・取次(問屋) 8% 0.8億円

・出版社 70% 7億円

となります。

出版社に7億はいるなら大儲け!

と思うかもしれません。

ただ、経費がかかります。

・紙や印刷代(写真集なので高い) 3億円

・ギャラ(印税) 2億円

・残り 2億円

この残りから宣伝費や人件費、倉庫代などがでます。

なんだ、老舗出版社もうかるじゃん、

と思うかもしれません。

渋野日向子さんの写真集が発売すれば

黙っていてもいろいろな媒体で取り上げられるので、

宣伝費もかかりません。

ここで冷静にならないといけません。

50万部も売れるのか?

です。

一般的に、写真集は一万部も売れたら

ベストセラーです。

最近では、

田中みな実「Sincerely yours…」60万部

白石麻衣「パスポート」50万部

と圧倒的に売れました。

渋野日向子の写真集が同じぐらい売れるのか?

オリコンの2019年「写真集」ランキングを見てください。

1位
「生田絵梨花(乃木坂46)写真集 インターミッション」
290,771部

2位
「欅坂46 ファースト写真集『21人の未完成』」
156,890部

3位
「日向坂46ファースト写真集 立ち漕ぎ」
138,616部

4位
「渡邉理佐(欅坂46) 1st写真集 「無口」」
102,608部

5位
「WHITE graph 001」(乃木坂46 白石麻衣特集号)
82,142部

6位
「乃木坂46 北野日奈子 1st写真集 『空気の色』」
56,957部

7位
「乃木坂46 井上小百合ファースト写真集 存在」
51,236部

8位
「encourage 特別版 石原さとみ」
46,314部

9位
「小林由依1st写真集「感情の構図」」
46,121部

10位
「UP THE ROAD 新田真剣佑」
45,446部

1位でも29万部です。

ランクインしたのは坂道グループがほとんどですが、

石原さとみの写真集でも5万部も売れていないのです。

10万部を超える写真集には傾向があります。

女性の購入比率が3割を超えてくるのです。

つまり、売れる写真集は男性だけでなく

女性も買うということです。

60万部の田中みな実「Sincerely yours…」は

男3、女7

50万部の白石麻衣「パスポート」は

男7、女3

です。

渋野日向子さんの写真集は、

最高で売れたとして10万部。

女性が買うことは想像できません。

1冊2,000円 × 10万部 = 2億円

です。

これでギャラを2億円払えるわけがありません。

まとめ

渋野日向子さんの写真集、

初版50万部、ギャラ2億円が無理なことが

わかっていただけたと思います。

出版社の部数や重版については、

こちらも読んでもらえると嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?