見出し画像

ウェブサイトが読みづらい人(特別編その2)

今回は以前 note に書いた、ウェブサイトが読みづらい人の第2弾です。

第1弾はこちら↓

ウェブサイトが読みづらい人(特別編その1)

中心暗転(視覚障害)

視覚障害のいろいろあるタイプの中の1つです。視覚障害には全盲の方はもちろん、視力に問題があるタイプ、視野に問題があるタイプ、色覚に問題があるタイプ、歪んで見える人、かすんで見える人、まぶしい人、立体視ができない人、そしてそれぞれが複合している人など本当に様々です。

その中で「中心暗転」と言われる方は、主に視野に問題があり、中央部分がかすんだり暗くなったりして見えない症状の方です。

真ん中が見えないため、視野の端っこでものを判断します。

例えるならば、スマホを見るときに目の前10cm程度のところに手のひらを置いて、その手のひらの手相に焦点を当てた状態でスマホを見てみてください。視線はスマホに移してはいけません。あくまでも焦点は手のひらにある状態でスマホを見ます。そうすると、ある程度なにかがありそう、慣れてるものなら操作できそうな感覚はありますが、文字を読むのは困難です。

このような方は文字を大きくして、視野の端っこで読むので、スマホはかなり使いづらいです。また、コントラストが近いと認識率はかなり下がってしまいます。

操作としては拡大(ピンチアウト)を多用しますので、拡大したときに急に画像が切り替わったり、動きのあるコンテンツは非常に操作が難しくなります。

ちなみに視野の端っこは見えてますので「歩きスマホ」にもイメージ近いと思います。視野の端っこである程度状況はつかめますが、正面から来る人や自転車には対応できません。電車に乗る時に、白杖を持ってる方が空いてる席にすーっと行って迷うことなく座って「この人実は見えてるんじゃないか?」と思ったことのある人も多いかと思います、その場合はこのような症状の方なのかもしれません。

視野狭窄(視覚障害)

こちらは中心暗転の反対です。真ん中しか見えません。

例えるならばトイレットペーパーの芯で常にのぞき込んでるようなイメージです。

スマホも全体像が分からないので、ウェブサイトを見るときも全体レイアウトを把握して、、といったことが出来ず左上から確認していく感じになります。

こちらも一部分しか見えないので、画像が切り替わったり、動きのあるコンテンツは非常に操作が難しくなります。

1型2色覚(赤色盲:色覚異常)

色覚に異常がある人は日本人男性では「20人に1人」と言われてます。先天的なもの、後天的なもの、1つの色が分からない人、2つの色の区別がつか出来ない人、色自体が区別出来ない人など様々です。比率的には「赤と緑」や「青と紫」が区別できないという方が多いです。

その中で、この「1型2色覚」というのは「赤を感じる視細胞になんらかの障害がある人」です。簡単に言うと「赤と黒の区別がつかない人」です。(緑も赤要素が入っているので黄色に見えます。紫も同様に青に見えます)

よく、ホラー系のサイトで黒地に血の色で文字を書いているサイトがあるかと思いますが、あれは全部黒に見えてしまいます。

ホラー系サイト作る場合は少し注意が必要ですね。

また、赤と黒の区別が出来ないので、深夜の道路の交通信号で赤が点滅しているものも、赤が点灯しているのか、消えてるのか、点滅してるのかが分からないので、運転にも支障がでます。

※色覚異常に関しては「色覚異常 見え方」で画像検索すると、いろんなパターンが表示されるので参考にしてください(最近はこれらのパターンで見えるアプリなども多数出ていますので是非お試しください)

脊髄性筋萎縮症

視覚障害が続いたので、ちょっとここで番外編。

サニーバンク」のアドバイザーもしていただいている、株式会社仙拓の佐藤仙務社長は重度の脊髄性筋萎縮症で、指先1cm しか動かすことが出来ません。

現在は「視線入力」の装置が日々進化しており、視線でマウスカーソルを動かし、指先でクリックするという操作でPCを操っています。

最近は文字入力も予測変換がかなり高機能になったので、文章を入力するのもかなり早いのですが、それでもやはりチケット購入サイトのような「入力に時間がかかると最初からやり直し」系のサイトには悩まされます。他にも、視線入力のため、細かいクリック領域だったり、隣の領域と近すぎて間違ってクリックしてしまうということもあるので、クリック出来る領域は広めに作っておいていただけるとありがたいです。

ちなみに、先日、佐藤さんが「あつ森」を視線入力で遊んでいる動画が話題を呼びました。

その時の記事がニュースになってますのでご紹介いたします。

(障がい者の僕が「あつまれ どうぶつの森」で伝えたい事)

「あつ森」を操作している動画もそのページからリンク貼られてますので、そちらも是非ご覧ください。

まとめ

知っていることが多いと、想像できることも増えます。

以前も note に書きましたが、知らないことはそれほど問題ではありません。「知りたいと思うこと」が大切で、そこからあらゆるものが生まれます。

これからもいろんな方を紹介できればと思います。それを知って、どう感じるか、どういうシチュエーションでどう想像するか、いろいろ考えていただければ幸いです。

というところで、今回はここまで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?