SS)ウーパールーパー
「次の方どうぞ」
男の順番が来た。ここは生まれ変わるための役所みたいなところだ。男は言った
「すぐに生まれ変わりたいんやけど」
「少々お待ちください…えっ~と、あなたは数日前に自殺されてますね」
「そやねん。特に不満はなかったんやけど金持ちになれへんから働くのが嫌で。親ガチャに期待しようと死んだ方が手っ取り早いかと。努力とか好きちゃうねん。せやし来世に期待しまして」
「え~あなた、来世と言ってますけどこの間までのが来世ですよ。前にも人間だったことがあってその時も自殺しています。奇跡的にすぐ人間に生まれ変われていたのがこの間までの来世だったのに。そんな都合よく人間に生まれ変われませんよ」
「え~なんとかキャンセル待ちとかないのん?」
「人間に生まれ変わるのはまずキャンセルありません。人間は人気ですからね。あなた人間を2回も経験してるなんて貴重ですよ。普通は1回ですよ。ウーパールーパーなら今空きがありますけど」
「もう待ってるん嫌やしウーパールーパーでもなんでもええわ。なんか可愛がってくれそうやし。ただちょっと大阪方面に融通利かせてもらえへん?やっぱ大阪すっきゃねん。飼い主が関西弁のほうがええかなって」
「なんとか努力します。ただあなたは2回も自殺しているので死に癖がついてるかもしれないので心配です」
「はっはっは、ペットとして可愛がってもらうから心配ご無用!来世はウーパールーパーとして頑張るわ。愛嬌ふりまくで~(笑)」
数日後、彼はウーパールーパーとして転生した
ここはとある大阪のゲテモノ居酒屋
「先輩、ほんまにこれ食うんですか?嫌ですわ~」
「何言うてんねん、ウーパールーパーの唐揚げは人気1位やで」
「これを最初に食った奴がすごいですね。でも嫌やわ~。くちパックン開いてますやん」
「関西弁しゃべりょったりしてな。でもそれ高いねんから全部食わなしばく!なんでもチャレンジせなあかんねん。人生一度きりやからな!」
「先輩、食ったことあるんすか?」
「あるかいな!」
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