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当てられ逃げ

5、6年前のことだった。その日私は仕事で大きな車を運転していた。田舎の道を走っていると左折しなければならない場所の少し手前でふらふらしている車がいた。その車は比較的若者が乗るようなタイプの車だった

いったいどうしたいのか意味がわからない。危ないので少し待つと私の左折しようとするところを先に左折した

何がしたいのだこいつはとイライラしながら左折するとさっきの車がお店の駐車場に入ろうとしていたが前の車が駐車するのに道路に少しはみ出して待っている

私はこいつに苛ついていたので少しだけしか間隔がないが行けそうだったのでそろりと間を抜けようとした

ミラーを見ながら半分ぐらい通り抜けている時にその車がバックしだした。「おい!おい!おい!当たるって!」

車を完全に停止してクラクションを鳴らし続けるのだが車はバックしている。そしてその車と私の大きな車…大型トラックのシルエットが重なったが衝撃はない

車は再び前に進んだのだがムカついていた私はそのまま前進した。ふと車を見ると何か傷があったようにおもえたがムカついていたのでそのまま過ぎ去ってしまった

それから何もない日が過ぎていったが6日後会社から電話がかかってきた。警察に行けとの指示で行くとあの時の車とおじいさんとその息子がいた。ついでにその車の保険会社の人がいた

あの時車を運転していたのは80歳を超えるであろうおじいさんであった。そしてあのとき私が車をぶつけてそのまま逃走したと証言したのである

逃走したのは事実であるが(いや、こっちが悪くないから逃走じゃねーし!)当てられたとするのは心外である。車に傷があるなら私が当てられたほうなのである

すると車の傷をほらほら~的なのりで保険会社の人、いやおっさんが「あなたがぶつけてますよね?」って感じで説明するのである。なんか芸人的なノリの保険会社のおっさんである

「てめえ!調子に乗ってんじゃねえ!てめえの内蔵引きずり出してもち米詰めてまた元に戻したろか!」なんてことは思いませんでしたが癇に障る保険会社のおっさんである

実際の傷というか凹みをみるとトラックの足をかけるためにパイプ状のものが3本ついていたのですがそれをグッと押したような凹みがありました。それは横を通り過ぎるときに当たったならつかない凹みです

では実際に当たっているのに衝撃がないのでしょうか?それがトラックっていうのは場所にもよりますが少しくらいのことでは衝撃が伝わらないことがあるのです。エンジンもディーゼルでブルブルいってうるさいし音も少しでは聞こえません

おそらく下の方にある荷台に乗るために足をかけるためのバー(パイプ)にだけゆっくりと当たっているので衝撃が伝わらなかったので当たってないと判断したので去ったのです。当たった感触もないしムカついていたし

そしておじいさんは当てられたというのですが私の説明の方が理にかなっておりそもそも当ててないし私は思いました

「こいつちょっとボケかけとるやろ?」

息子がついてきているし言動もそうですし左折前の不穏な動きがそう思わずにはいられないのです

とりあえず警察では説明したしあとはもう知らん。当ててないし会社の車なのでもう知らん

そこからである

TVのニュースでやたら高齢者が車で暴走するという事件を目にするようになったのである。そのようなニュースを見るとあのじいさんを思い出しTVに向かって毎回「もっと前に免許返納しとけやーー!!どあほー!」と絶叫していたのである

あれから約1年後会社の上司に言われた

「あの事故無しになったから」

よくわからないがあの事故オールキャンセルというか「ない事」になってしまったのである

私は自分では悪くないとおもっているが事故自体がないことになってしまった

おそらくじいさんの証言では車の凹みと整合性がとれないのであろう

私の完全勝利である

私は負けることはない。これからも連戦連勝である







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