Highway Star
30年ぐらい前に車を新車で手に入れた。家で働いていたので無茶なローンも出来たので月6万円ぐらい払っていた
当時かっこいいとおもっていた車の条件
FR。FRはエンジンが前にあって駆動するのは後ろタイヤという運動性能的にバランスがいい反面室内が狭くなるというデメリットがある
2ドア。2ドアがかっこいいとおもっていました。ただ友人を2人以上乗せるときに助手席を倒して乗らなければならない面倒なことが発生する
マニュアルトランスミッション(MT)。出来たら自分で操作したい。走り屋みたいでかっこいい。デメリットは何か食べながら運転しにくい
出来たらターボ付き
これらの条件から8代目スカイラインになった。いわゆる「超感覚スカイライン」というやつである。デザイン的にはプレリュードやCR-Xやシルビア、180SXなどが良かったが総合的に「超感覚」を選んだ
この8代目の時にスカイラインはGT-Rを復活させたのであるがこれが本体価格400万円以上して実家暮らしとはいえさすがに無理があるのでそれは買えずに2リッタートップグレードのGTS-t TYPE M(2ドア)というモデルを買うことになった。GT-Rと同じスポーツ4WDの2リッターモデルのGTS-4ってのもあったがこれもさらに高くなるので見送り
本当はディーラーに行って買いたかったが付き合いで近所の車屋で買うことになった。この車屋が遠い昔、叔父さんがカリーナかなんか買ったらカローラを持ってきたトンでも車屋だったのだがそんなことすっかりチャラになってまだ付き合いが残っていた
その車屋からGTS-t TYPE Mがやってきたのだが何か違和感があった。それはのちに友人が同じGTS-t TYPE Mの4ドアを買ったときにわかったのだが友人の車のエアコンは「フルオートエアコン」がついていたのである
恐らくTYPE Mには「フルオートエアコン」がついているはずなのだ。が私の車には「オートエアコン」しかついていなかった。たしかエアコンは「オートエアコン」より下のグレードも存在している
私の推測であるがあのトンでも車屋が「レスオプション」というこれいらないから安くしてっていうやつ、つまり本来TYPE Mには「フルオートエアコン」がついているのに「オートエアコン」にして値段はそのままでちょっとだけ浮いたお金をぽっぽないない(全国で通じる?)していたのではないかとおもっている
純正ステレオにはカセットとCD、シングルCD(小さいやつ)が3枚入るタイプだった。シングルCDには「愛は勝つ」とか「どんなときも。」などを入れて聴いていた
運動性能はさすがにスポーツカーだった。加速すればシートに押し付けられ、山道をとんでもないスピードで曲がっていき、すんごい勢いで止まってくれた。これでこんなならGT-Rってどんななんじゃ?昭和の名残で105キロぐらいで走ると「キンコン、キンコン」と永遠に鳴り続けた
そんなある日友人のK君と六甲に行こうということになった。友人K君はトニーマカパイン(ギタリスト)が理解できる貴重な人物だった。二人で釣りに行くとき釣具屋までお互い1時間以上喋らなかったでおなじみの(誰も知らんがな)K君である
当時はナビなどないので地図を持ってお互いの車2台で六甲山を目指した。六甲山に行くっていう打ち合わせしかしていなかったのだが2台連なっていくから特に問題なしだろう。彼の車はクレスタだった
高速に乗って私が前、彼が後ろだったが彼が追い越し車線からビューーーンと抜いていった
「やるな!しかし俺のGTS-tのエンジンRB20DETが黙っていないぜ!」
走行車線に戻っていた彼を追い越し車線からドビューーーーーーンと抜いてやった
それはDEEP PURPLEの「Highway Star」のソロの部分
彼が追い抜いたときがジョンロードのオルガンソロで
私が追い抜いたときがリッチープラックモアのギターソロのようだった(高速からの連想で、なんだこの後付け感)
「はっはっは!まいったか。さあ、そろそろ追いついてこい」
それからトロトロと高速を走るのだが全然K君のクレスタがやってこない
こない。
こない。
こない、こない、こない、こない、こない、あんたはー!
こないので
六甲山の道を1台で走って登って降りてGTS-t TYPE Mを堪能して自宅まで帰ってきた。しばらくすると私の自宅にK君が現れた
なんやこいつ!どこ行っとってん!
K君は上弦の友人から下弦の友人にランキングダウンした
その後スカイラインGTS-t TYPE Mはマニュアルトランスミッション(MT)のためビッグマックを食いにくい(お前がMTにしたんやろが)4駆が欲しいなどの理由で2年弱で売られていったのであった
スープラ欲しいんですけど〜