見出し画像

つくりたいだけで、売ることには興味がなかった。

前々から分かっていたような気もするが、そんなことに気づいてしまいどうしたものかと悩んでいる。

悩んでいることは主にふたつの事で、ひとつは経済的な話しと、もうひとつは、何をつくるか?というモノの話しで悩んでいる。

ひとつめの経済的な話というのは至ってシンプルで、売れなければ活動を続けることができず、大小さまざまな選択をしなくてはならないということだ。

ただ、選択と言っても、取れる選択肢というのはそんなに多くはなく、資金を調達して結論を先延ばしにするか、すぐに売上になるものに集中するかのどちからしかない。そして、残念ながらどちらを選択してもこの悩みが終わることはないというのも問題としてある。

なぜなら、資金を調達したところで「売る」ことには向き合わなければならず、すぐに売上になるものと言っても、それはそれで難しい話しだからである。

とにかくP/Lというように短期の売上を急ごうと思うと「人がやってほしいこと」をやる必要が出てくる。事業ドメインによっても異なりはするが、その内容の多くは「手が足りない」というものが多い気がする。

相手は「手が足りない」という状態なので、頭と体と心を使って頑張りますといえば、大抵の場合は仕事になるはずである。

簡単にいうとそういうことだが、実際のところは、そこに企業との相性や金額や競合なんかも出てくるので、そんなに簡単でもないので悩ましい。法人にしろ個人にしろ現代のサービスは本当に行き届きすぎていると思う。

次に、ふたつ目の悩み「何をつくるか?」というモノの話しに移りたいと思うが、これはどれだけ考えても頭を悩ませてしまう。

例えば、「歌いたいから歌う。書きたいから書く。撮りたいから撮る。」というように、先にやりたい想いというのがあってその発露の先にモノが生まれる。

これが、「売れるために歌う。売れるために書く。売れるものを撮る。」みたいになってくると、モノと思いの順序が逆になってしまう。

「ビジネスなんだから当たり前じゃないか」と諸先輩方に言われてしまいそうだが、自分としてはそこに「なんともいえない違和感」があって前に進むことができないでいる。

「売れる」を簡単にいえば、「顧客が望むもの」になるので、マーケティングのセオリーのように市場調査をして、個人のインサイトや、マーケットの負を発見して、プロトタイプに起こして、ポジショニングを整理して、競合との差別化をした商品をつくり、あとは、なぜやるのか?というブランドとしてのアイデンティティを確立してなどいろいろとやることがある。

そして、それは一朝一夕にできるものではないからとっても大変なことである。特にブランドなんていうのは顧客の心の中で育っていくものなので、企業側が綺麗でカッコいい言葉だけを並べてもそれが届くというのは幻想に近い。

いろいろと言ったが、要するに自分は「つくる」ことはしたいが、「売る」ことを考えることには向いていないということだ。

そういう自分に気づいてしまった今日という日は、いったい何記念日なんだろうか。