京都の商売
以前FBでもアップしておりましたが、お香の老舗松栄堂さんが本社横に建てられた、香りのミュージアム”薫習館”のオフィス部分は、弊社で担当させて頂いておりますが、この後の松栄堂さんの対応が、有難いと共に、改めて素晴らしいのと、”京都の商売”というのは、こういう事なのかと、私自身が改めて勉強させて頂いております。
昨日も東京で、ある京都の経営者にバッタリ会った際、その瞬間に、「今朝、薫習館さんを数名で見学に行って、オフィスも見せて頂いて来ました」と言って頂いたのですが、我々がその社長に話した事もないですから、松栄堂さんが、”オフィスはウエダ本社に任せた”と、皆さんに紹介して頂いているのだと気づきました。
実は、門川市長からも、”オフィスを見て感心した”とメッセージ頂いていたり、京都経済同友会の元代表幹事のある社長さんからも、同様に言って頂いていたのですが、それはお披露目の際に、私の事を知って頂いている方に、たまたまご紹介頂いたのだと思っていました。
ところがそうではなく、この建物を見学に行かれた方のご説明に組み込んで頂いているのだと分かり、改めて、これが京都の老舗企業なのかと感じると共に、これぞ”京都ビジネス”というものを、恥ずかしながら初めて体感させて頂いたのです。
”一元さんお断り” 他府県の方が、よく誤解される話であり、京都が難しく(冷たく)、排他的に捉えられる話ですが、そうではなく、そのお客さんの事を知らないと、そのお店の品位を保つサービスができないので、一元で来てもらっても対応できないという意味で、そこには、信頼に基づくサービスがあり、それだけに、信頼のある方からの紹介が重要という事で、そこが京都が難しく、排他的に捉えられるところです。
消費者向けのビジネスであれば、口コミの重要性は分かり易いので、京都でなくても信頼を大事にされると思いますが、BtoB 所謂、企業間取引の場合、口コミ的になる事も少なく、ましてや、オフィスなど、一回納めれば数十年用事が無く、ひょっとすれば在任中には二度とビジネスは無いかもしれない世界では、売りっぱなしや、納めて終わりというスタンスも多いのが現状です。
ところが京都では、そんな短期的な事や、自分スタンスの姿勢では信頼を得られず、長らく商売をやっていけなくなるので、当たり前の話ですが、“よくやってくれた”と喜んでもらえる仕事をしないといけないのだと思いますし、逆に、その様なスタンスで行った事を他にも紹介し、皆で守っていく様な信頼の資産を、積み重ねて来られたのが、正に“老舗”なのだと思います。
我々の事例のシンボルともなっている京都信用金庫さんでは、榊田理事長自ら、オフィス見学を受け入れますよと言って頂いており、実は、松栄堂さんもお連れして、ご覧頂いた事によって、ご要望も変わり、レイアウトにも反映させて頂きました。
京都信用金庫さんでも、実際にリニューアルされたオフィスを使って良かったという体感から、この様にもして頂いているのだと思いますし、そこでいい加減な仕事していたら、とても現在の様に、京都の代表的な企業様から順番にご依頼頂く様な事には繋がっていなかったと思いますし、そう考えるとぞっとしてしまいます。
多分、松栄堂さんでは意識されず、普通にしておられる事なのだと思いますが、遅まきながら今回勉強させて頂いた”京都の商売”を、81年目の今年から積み重ねていきたいと思います。
幸い?京都では、100年経たないと一人前と見なされない所もありますので、ここから20年かけて、一人前の企業と見なして頂ける様に積み重ねていきたいと思います。
そう考えると、やっぱり京都は恐ろしいですね(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?