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堆肥化することでコストは減るのか!?~2023年12月議会③~


ごみのリサイクル率日本一の常連である鹿児島県大崎町の取り組みと印象に残った言葉

(斉藤達也)次に移ります。我々新生会は、9月28日に鹿児島県大崎町にある大崎町SDGs推進協議会のオンライン視察を行いました。その目的は、大崎町はごみのリサイクル率日本一を過去20年間で14回も達成しており、生ごみの堆肥化等のコストを極力抑えて徹底した分別を実施していることから、有機物リサイクル施設整備の参考にするためです。生ごみの回収から堆肥化への流れは、町内150集落のごみ集積所に計200個の生ごみ回収バケツを設置しており、週3回の頻度で回収しています。ちなみに、その他の一般ごみは週1回、資源ごみは上田市と同様の月1回の回収です。回収された生ごみは民間施設に持ち込まれ、破砕機で粗破砕し、草木等の剪定物と混ぜ1か月発酵させた後、振るい機で異物を除去し、6か月間かけて堆肥化しています。大崎町は人口約1万2,000人、6,500世帯、面積100キロ平米の小さな町ですが、生ごみを分別回収し始めた頃は、全150集落に3回ずつ合計450回の説明会を行ったようです。現在は、住民の理解と協力を得てリサイクル率は81.6%、生ごみの収集量は約1,000トン、上田市の計画とほぼ同様の約1,000トン、そして堆肥生産量は219トンとのことでした。現在では、その実績を海外からも評価され、国内外の大小様々な自治体に展開する取組も進めています。また、非常に印象に残った言葉としては、国内では既にごみ焼却施設がある自治体が多いため、上田市もそうなのですが、生ごみの堆肥化を検討するときにまず考えてほしいこととして、堆肥化することにより本当にコストが減るのかを考えてほしいとのことでした。そこで、大崎町の取組を基に上田市の状況等を伺います。

質問は生ごみ堆肥化施設整備計画の精査や経済性評価の提案

 1点目として、リサイクルやごみの分別において先進自治体である鹿児島県大崎町のリサイクル率は、全国平均19.9%に対し、27品目に分別して81.6%、1人当たりの年間ごみ処理経費は全国平均1万6,800円に対し、大崎町は1万1,500円となっているが、上田市ではごみのリサイクル率と分別数、1人当たりの年間ごみ処理経費はそれぞれどうか。
 2点目として、市の財政に大きな影響を与えることが予想される有機物リサイクル施設整備について、施設規模の精査や経済性の評価を明確にするために、施設の要求水準書の作成や事業者選定段階に入る前に大崎町SDGs推進協議会等にアドバイスを求めることを提案するが、見解はどうか。
 以上2点お尋ねし、第3問といたします。

ごみのリサイクル率は低いがコストは抑えられている

◎環境部長(田中義明君) 議員からご質問いただきましたリサイクル率でございますが、令和2年度分として国から公表されているものでございますが、当市のリサイクル率につきましては、実績では令和2年度は26.6%、令和3年度は25.7%という状況でございます。また、当市におけるごみの分別数につきましては、燃やせるごみ、燃やせないごみ、プラマークつきプラスチックなど6区分を基本として、20品目の分類としております。1人当たりのごみ処理に係る経費でございますが、当市の決算額及び上田地域広域連合への負担金を含めて算定した結果、令和2年度、令和3年度ともに約1万1,100円でありまして、これを全国平均1万6,800円と比較いたしますと約66%となり、鹿児島県大崎町とは同程度と考えております。

生ごみ堆肥化(有機物リサイクル)施設の規模は更に精査していく

 次に、有機物リサイクル施設につきまして、堆肥利用により化学肥料の使用を抑え、地力を回復させるといった地域農業の活性化、それと地域内における資源循環システムを目指しておりますが、建設規模や建設費のコスト面についても可能な限り精査していくことが重要と考えております。施設規模の精査や経済性の評価につきましては、今後の事業者選定業務の中でさらに精査を行ってまいりますが、議員提案の大崎町SDGs推進協議会を含め、先進自治体の取組を研究するとともに、過大な施設規模により財政負担が大きなものとならないよう検討し、取り組んでまいります。
 以上でございます。

(斉藤達也) ご答弁いただきました。上田市のごみ処理のコストが1万1,100円ということで、先進自治体とほぼ同レベルで非常にうまく抑えられているということが分かりました。一方で、リサイクル率に関しましては25.7%ということで、さきの大崎町が81.6%ということを考えると、さきの答弁でありましたが、紙ですとか、布類ですとか、そういったものをまだまだリサイクルできる余地は大きいのかなというふうに感じました。

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