見出し画像

サングラスの話

高校卒業後、札幌に出てきて3年務めた会社を辞めた。

辞めた理由は人間関係。
元々二人の事務員がいて、一人は結婚、一人は出産のため一ヶ月遅れて辞めることが決まっており、
その補充のため、まず私が入社し、一ヶ月後にもうひとりが入社した。
前任者はふたりともきちんと引き継ぎもしてくれたし、まあまあ上手くやっていけるのではないかと思っていた。

私のあとに入社してきたのは、歳は一回り上で、元々は教師をしていたらしい。

この同僚と、3年も一緒に働いていたのかと思うと、今では衝撃的だ。
正直、高校を出たばかりの右も左も分からない無知なひよっこに対して、
異常に厳しかった。
電話に出るときの声が小さいとか低いとか、
収入印紙の使い方も知らないの?とか
なんか最終的には、突き飛ばされたりもしたので、
やってられるかと思い、辞めた。

何の話だと思うかもしれないが、これはサングラスを買ったきっかけだ。

私は目が悪いのでメガネをかけているが、
仕事をやめたあと、雀の涙程度の貯金で、一週間ほど本州を一人旅しようと思い、
手始めに髪を染めて度入りのサングラスを作った。
なぜサングラス?と思うかもしれない。

21歳の小娘が一人旅、
舐められないようにサングラスかけたるわ、と、そういう理由だった(笑)
色は青みがかったグレーの、ほんのり薄いレンズ。
サングラスというより、少し灰色が入ったレンズのメガネ、という感じで。
フレームは細めのシルバーで、
今思うと怪しいインテリ系金融コンサルティングがかけてそうな代物だ。

一人旅は楽しかった。
神戸、京都、大阪、東京。
東京では兄と会ったが、ずっとフィリピン人みたい、と言われ続けた。
どういうこと???

その後、サングラスはいつの間にか、棚の引き出しに入れっぱなしで、ほとんど使うことはなくなった。

あれから19年。
最近は運転も良くするし、キャンプで遠出もするようになった。
札幌から石狩当別へ向かう際、朝は眩しく、
帰りの夕方も西日が眩しいという目に何度があった。
眩しい。
険しい顔でハンドルを握る。

サングラス作ろうか。

昔作った薄い色のレンズのサングラスのことは、忘れていた。
それでたまたま、同じメーカーでいつも作っているので、相談をした。
安くても3万弱。
まずフレームが安くても11000円するのだ。
たけえ。
もう少し考えますと帰宅してから、あのサングラスのことを思い出した。

これ、レンズだけ替えれないか?

というわけで、大事に携え、
同じ眼鏡屋へ趣き、懐から19年前に作った眼鏡を出して見せた。

「いけますよ!」

よっしゃああああ!!!
19800円でお買い上げです。
一週間後に出来上がります。
ついでに古いのでクリーニングと調整も。

わくわくします。
4月下旬のキャンプで使用します。


画像1

これは3年前に今かけてる眼鏡を作ると前に撮った写真。

フレームがオシャレな眼鏡が好きなのよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?