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教材の深める思考法

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授業成功のためのFirst Stepである「教材解釈」の思考法を述べています。教材をどのような見方・考え方で深めればいいのかわからない。と言う方にお薦めです。
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#教師の困り事

教材を深く読み解く思考法NO3

本号が、教材を深く読み解く思考法の最終号となります。本号では「人間の本質から教材を読み解く思考法」について私なりの見解を述べていきます。 3 人間の本質から教材解釈を深める人間には、強さや弱さ、楽しさと悲しさ、信頼と裏切りといった表と裏の感情があります。 もっというと、欲望や嫉妬、正義や差別など根深い部分も存在します。 そして、このような人間の本質は無意識に働いていて、大人の私たちでさえ、判断を間違うことがあるのです。 例えば・・・ 人は無意識に自分の考えを、周りの人に合わ

教材を深く読み解く思考法NO2

前号では、教材を深める思考法の一つ「相対主義で教材解釈を深める思考法」について述べました。本号では、第2弾「人間理解から教材解釈を深める思考法」について私なりの見解を述べていきます。 2 人間理解で教材解釈を深める人間理解とは、「道徳的価値は大切であるが、実際の行動に移すことは難しい」ということを理解するという考え方です。 例えば・・・ 親切にすることは大切だと分かっているが、実際に困っている人を助けることは難しい。 ルールは大切だが、ついつい破ってしまうこともある。 な

教材を深く読み解く思考法NO1

前回のnoteでお知らせしたように、本シリーズでは、道徳科の教材解釈を深める思考法について述べてまいります。本号では、その第一弾「相対主義で教材解釈を深める思考法」についてです。 1 相対主義で教材解釈を深める相対主義の考え方とは・・・ 「道徳的価値は、それを認識する側の観点によって多様な姿を現す」という考え方です。 簡単にいうと・・・ 善い事も、見方によっては悪い事になる。 また、悪い事も、考え方によっては善い事になる。 という考え方です。 例えば・・・ 盗みという

教材を深く読み解く思考法

【POINT】 1 相対主義で教材解釈を深める 2 人間理解から教材解釈を深める 3 人間の本質から教材解釈を深める本シリーズでは、教科の中でも超難解だと言われる道徳科の教材解釈について、私なりの解読思考スキルについて述べていきます。  最初に・・・  道徳の授業を成功させるためには、教師が子どもの「まだ、気づいていないこと」をみつけて、それを学習のねらいにすることが大切です。  しかし、道徳科の教材はそれが難しいのです。  なぜなら・・・ 大人(教師)も、まだ気づいてい