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日々忙しい中での決断〜来た電車に飛び乗る勇気

 日々、相続対策の相談、特に遺言書作成が急務の対策と考えられるお客様に提案した際に、時折不思議な反応があります。

その属性の方は、遺産分割協議になった際、相続人の方の中に遠隔地にお住まいの方やあまり交流が無い、あるいは所在不明、または全く面識の無い方がいるケースです。

子供さんのいないご夫婦で相続人が配偶者以外に兄弟姉妹や甥姪、レアケースですが兄弟姉妹の中に異父、異母兄弟姉妹がいる場合が該当します。(一般論です。勿論こういう状況のご親族でも友好的にお付き合いされている方も見受けられますが)

遺言書があれば、原則、遺産分割協議は不要なので、高齢の配偶者の方の手数、ご心労をかけずに相続ができます。
という理屈は認識されるのですが、
作成を進捗させるか、確認をすると
「今では無い、いつか検討する」
「(漠然とした様子で)考える」
〜どうも永遠に検討中のまま、相続の日を迎えてしまう気配が高いのです。

勿論遺言書の効用は十分理解いただいて
書かなければ、もしかしたら、大変な事態もあるかもと思いながらも、決断しない方を見受けられます。

当然ながら、遺言を書く、書かないは個人の自由なので、書かないという選択肢もあります。

ですがそういった方は、書きたく無いと
決断することもなく、柳のように揺れ動きながら、考えが定まらないというか結論を出すことに蓋をしてしまうような感じなのです。

即断即決を求めている訳ではありません。現代は、無用なセールスも多く、警戒心が出るのは当然の事。むしろ1週間、1ヶ月じっくり決断を下す時間は必要。ただいつまでたっても決まらず、むしろ日々の生活を優先し、遺言の事は頭の片隅に。そして消えてしまう方も見受けられます。

今では無い、いつかは来るのでしょうか

残念ながら遺言がないことによる悲劇が一定の割合で生じているのは事実です。

こう言った方の性格を、仮説を立てて推測してみると、幼少期より大人になるまで、周囲の家族、特に強い親の下、決断は親がして本人はそれに従順だったタイプの方のようです。決める事に慣れていないようなのです。

いみじくも、成功した起業家の方の多くが言う「目の前を通り過ぎるチャンスや機会を逃すな、とりあえず来た電車に飛び乗れ」の精神が終活対策には、とても大切な気がします。数多の争族を側から拝見した身としては、大きなお世話と思われるなぁと感じつつも、その思いが拭えない日々であります。他人事ながら、決断を促せなかった事に忸怩たる思いが続いております。

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