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財産は次世代に引き継いでこそ

 独身で過ごされてきた方や相続人不存在(ご自身が亡くなった時、相続権のある方がいない、つまり相続人が存在しない)の方たちに、財産の承継のことを伺うと大半の方はピンとこない、イメージが湧かないようです。

こういった方は、お亡くなりになった時に、時として遺産分割協議が不調だったり、又は、その財産は相続人不存在として大半は動かなくなってしまいます。
「自分が無くなったあとは、関係ないし、知ったこっちゃない」とおっしゃる方も中にはいます。

また遺言書を遺すのが有用な属性の方(子供のいないご夫婦等)も「遺言書を書くのが、心理的に抵抗がある(自分はまだ若い、亡くなった時のことは考えたくない、面倒だど)」として遺さないまま、そのままうやむやになり、結局は遺産分割協議となり相続人間の話し合いが暗礁に乗り上げてしまうケースも見受けられます。すると預金関係は凍結したまま、いつまでたっても解約や名義変更できずに数年、十数年と銀行にそのままになってしまう。

金融機関に預金が眠ったままでは、、、
写真は本文と関係ありません

ここは正直、大胆に言うと「経済社会にとっても、大きな損失」と言わざるを得ないのです。預金が解約できないまま、不動産の名義が変更できないままですと、亡くなったあとに、その資産が生きて社会に還元しないのです。例えば、そのお金を親族や知人、福祉団体が相続、遺贈、寄附を受ければ、そのお金は、そのご家庭、団体の経済活動に生かされるのです。子供や甥っ子、姪っ子さんが相続・遺贈を受ければ、その方の住宅を建てる資金、教育資金、団体であれば社会福祉活動等の大きな支えになるのです。生きてお金が回り続けるのです。

ある金融関係の知人に聞いたところ、その金融機関では預金者が亡くなり口座が凍結された後、1年後に該当口座がどうなったか非公式にざっくり調べたら、約2割は凍結したまま、つまり相続未済の状況なのだそうです。
基本的に遺言書があれば、預金は解約、名義変更できますから、その凍結したままの口座の持ち主は遺言書が無かった方と推測できます。(肌感覚の調査・推測ですが)

日本で遺言書を遺す方は約1割と考えると、約9割の方が遺言書が無く、遺産分割協議になる。
遺言書を遺さない方の割合 90% × 口座が解約できない割合 20%
= 18%。
非常にラフで乱暴な計算になりますが、ある人が亡くなったあと、約18%のご家庭、ご親族が1年経過後も、遺産分割協議が成立せず相続揉めが起きていると仮説が立てられます。(100家族・親族につき18件が相続揉め⁉)

18%という確率、どうでしょう。
ネットで調べたところ、ある事象の起きる確率は以下の通りです。
宝くじの1等当選確率  0.00001%・・・超絶低い。
裁判員制度で選ばれる確率 0.01%・・・さすがにこれも低い。雷に合う確率も同じくらいだそう。
1年間に交通事故に合う確率 0.9%・・・もっと大きい感じもしますが。
ガリガリ君の当たる確率  4%・・・だいぶ高くなったがそれでも4%!
女性の100歳生存率   7.3%・・・さすが人生100年時代!
生涯独身の男性      20%・・・なんと!!!

周りで交通事故に遭ったなんて話はよく聞きますよね。
昔、子供のころガリガリ君が結構当たっていたような気がしますね。
18%という確率は、生涯独身を貫きとおす男性の確立と似たり寄ったり。
結構な確率ですね。そうなんです。それが近所や知人、テレビ等で聞く「争族」なのです。

ラフな調査の確率を使ったたとえ話で、不謹慎かもしれません。
お詫び致しますが、
亡くなった方が、お元気な時に血と汗と涙を結晶させて、あるいは又はご先祖様から受け継いだ財産、その財産はやはり銀行に眠ったままではなく、次の世代や資金を必要としている団体へ、お渡しするのはとても意義のあることなんだと、この仮説をみて感じます。

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