[読書] 思考法図鑑 ひらめきを生む問題解決・アイデア発想のアプローチ60
「思考法図鑑 ひらめきを生む問題解決・アイデア発想のアプローチ60 」という本が人気だ。
60もの問題解決・アイディア発送のアプローチが分かりやすく説明されている。
正直なところ、この本を読んだところで何一つ思考法が身につくわけではないだろう、
しかし、ある程度の数の思考法とその効用が頭に入っていれば、「あ、そういえば、あんな思考法があったな」と思い出して使うことができる。このようにマクロ視点で知識をおおざっぱに頭の中に入れておくことは重要だ。
また、だいたいの思考法が頭にあれば、別の本を読んだときに役に立つ。
例えば、「失敗の本質」という本の中に
日本軍は現実を見ない都合の良い帰納法で戦略を立て、アメリカ軍は事実に基づく演繹法とダブルループ思考を使ったとある。
これは帰納法、演繹法、ダブルループを知っているのと知らないのでは本の受け止め方が変わってしまう。
僕は任天堂が好きなので初期任天堂の開発リーダー横井軍平さんの「枯れた技術の水平思考」という言葉が好きだったのだけど、元々の「水平思考」ということが漠然としか理解できていなかったんだなと思いました。(別の本を読む予定)
こんな風に新しい知識や知の技術を深めるために、思考法をマクロ的に頭の片隅に入れておくのは楽しいし重要だと思う。
実際に自分の知識や技術として身に着けたい時に、その思考法に特化した本を読んで身に着ければいい(一つの思考法につき見開き2ページなので思考法そのものは本書では身に着けることはできない)。
思考法を知っておくことのもう一つの利点は、同じ思考法を知っている人と共通認識を持つことができることだ。誰かがアイディアを出してきたときに「あぁ、これは××を要因分析したんだな」と分かれば理解しやすくなる。
昔、プログラムを勉強していたときに「デザインパータン本」というものがとても役に立った。これはプログラムでよく使われるパターンをまとめたもので、これを知っておくと人のプログラムの理解が早くなるし、自分のプログラムも人に理解されやすくなる利点があった。思考法もこれと同じ利点がある。
一つの思考につき見開き2ページで解説しているのだが、これも非常によくできてる。
左上に図、左下に基本情報、右上に考え方、右下に思考のヒント
というフォーマットになっている
図があるとイメージで覚えられる、図だけだと間違って覚えるので、基本的な概要を文章で読むことができる。
さらに基本情報をさらに深めるための考え方があり、「図」「基本情報」「考え方」だけでは説明できなかったことを少しだけ付け足すことで深みを与えている。他にもエクササイズやコラムなど充実している
手元において、ちょっとしたときに眺めるとヒントになる。そんな一冊だ。
第1章 思考の基礎体力を高める
01 論理的思考(ロジカル・シンキング)
02 批判的思考(クリティカル・シンキング)
03 演繹的思考
04 帰納的思考
05 アブダクション
06 要素分解
07 MECE
08 PAC思考
09 メタ思考
10 ディベート思考
第2章 アイデアの発想力を高める
11 ブレインストーミング
12 類推思考
13 水平思考
14 逆説思考
15 IF思考
16 素人思考
17 トレードオン思考
18 プラスサム思考
19 弁証法
20 ストーリー思考
21 2軸思考
22 図解思考
第3章 ビジネス思考力を高める
23 価値提案思考
24 シーズ思考
25 ニーズ思考
26 デザイン思考
27 ビジネスモデル思考
28 マーケティング思考
29 戦略的思考
30 確率思考
31 逆算思考
32 オプション思考
33 ビジョナリー思考
34 コンセプチュアル思考
第4章 プロジェクトの推進力を高める
35 Why思考(目的探索)
36 改善思考
37 経験学習モデル
38 ダブル・ループ学習
39 プロセス思考
40 横断的思考
41 GTD
42 自責思考
43 ポジティブ思考
44 ABC理論
45 内観法
46 相対的思考
47 抽象化思考
第5章 分析力を高める
48 仮説思考
49 論点思考
50 フレームワーク思考
51 ボトルネック分析
52 ファネル分析
53 相関分析
54 回帰分析
55 時系列分析
56 Why思考(原因分析)
57 因果関係分析
58 因果ループ
59 システム思考
60 KJ法
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