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読書_仕事がはかどるPython&Excel自動処理全部入り

この本はPythonというプログラム言語でExcelのデータを読み込んだり書き込んだりするためのレジメ集だ。
レジメ集なので感想も何もないのだけど、いろいろ思うことはある。

まず本の出来なのですが、なかなか優秀だと思う。Pythonというかプログラム言語を使ったない人でも何となく使える部分もあるし、それなりにPythonに詳しい人が読めばExcelを扱うopenpyxlというライブラリが何をできるか分かる。また、Pythonの書き方もしっかりしている。よく見たらビープラウドというPythonのエキスパートが多く揃う会社が監修していた。そういった意味でも安心できる1冊になっている。

openpyxlは必要に応じて何度か使ったことがあるけど、読んでいて「そういう使い方もあったのか」と思うことが何度かあった。ドキュメントを精読するほど使う必要のない人には目を通す価値があると思う。

Excelには元々Excel VBAというプログラムを書く機能がある。しかし、Excel VBAはかつてExcelのヴァージョンが上がる度に動かなくなったり(最近のExcelは知らない)、プログラムを自動で生成する機能があるが故にごちゃごちゃになったり、Excel VBAを利用したウィルスが大量発生したために扱いが面倒になったりと、あまり良いことがなかった。
一方、PythonからExcelを扱うことはOffice Open XMLという形式のファイルを扱うので、Excel自体が持つ面倒さから解放されるというメリットがある。

データドリブン組織

企業は過去の経験ではなく、データに基づいた判断をする人材が活躍できる組織を求めている。データの蓄積が過去にくらべて容易になったからだ、一方で、データを活用する人材や、データドリブンで組織を動かす人材には不足している。
また、何のツールをつかってデータを分析し、活かすのか?という問題もある。それには2通りの考え方がある。1つはスペシャリストを雇用して分析してもらうこと、後者はスペシャリストも活用しながら、ある程度の集団全員に教育をし、データ活用を即す方法だ。
スペシャリストは例えば流行りのデータサイエンティストだったり、Tableau などのBIツールを活用できる人材だ。統計学や数学などの教養に加え、その企業のビジネスそのものにも理解ある必要がある。
では、ある程度の組織全体がデータ活用できるようにするにはどうすればいいのだろうか?急に組織全体で高度な技術や効果なソフトを使いこなすことは難しい。比較的にマネしやすく成功しているのはExcelを上手く使った組織だ。
Excelなんてどこでも使っているのでは?と、思うかもしれないが、意外とExcelを単に資料用の表を作ったり、集計したりすることしか使っていない場合が多いし、需要予測などでも知識ではなく勘に頼っている場合が多い。
高度な分析ツールや関数があるけど使ったことがない人が多い場合もある。
ピボットテーブルを使ったことがないという人がいてびっくりしたことがある反面、よく考えると僕自身データ分析用のツールや関数をあまり使っていない気がする。

さて、Excelを使ったデータドリブンの組織として有名なのは「ワークマン」だ。
ワークマンについては以前に本を読んだ

Excelを使ったデータ分析を教育に折り込んでいる。

IT企業のようにエンジニアを内部に抱えていない組織がマネをするにはワークマン方式は有益だろう。
一方で、何も考えないで実施すると複雑化し、微妙に違う似たようなファイルだらけになり混乱をきたすだろう。同じデータを扱っているファイルが複数あり、何が正解か分からなくなるということはよくある話だ。

そういった混乱した組織にExcel に加え、なんでもできちゃうプログラム言語であるPythonも使えるようにしたらとすれば、もう地獄絵図でしなかない。セキュリティ上でも問題になるだろう。

あるべき姿としてはIT企業がやっているように、クラウド上のデータに参照のみ(変更できない)形でアクセスし、クラウド上の仮想環境でデータ分析をし、メンバーと共有する形になるだろう。共有はオンライン上のスプレッドシート(オンライン版Excel含む)で良いだろう。セキュリティも管理しやすい。
そうなると、デスクトップ版のExcelの出番は無くなるだろう。

IT企業でない一般企業としてはがデータドリブンの組織を作りたいのではあれば、Excelでデータドリブン組織を作りつつ、クラウド環境でデータを活用できる手段を構築することが重要になる。デスクトップ版のOffice(Excel含む)の費用をクラウド利用の費用に置き換えれば費用面では問題ないだろう。とすると、外部IT企業と協力しながらクラウド環境でのデータ活用を主導できる人物を内部で育てる必要がある。

クラウド型のデータ分析をするにもPythonはよく使われるので学んでおくと良いかもしれない。本書はPythonを学ぶ2冊目あたりに買って、実際に何かの作業をしながら学ぶとよい。



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