見出し画像

BTS花様年華まとめと残された謎【ジミン編】

前回から一人一人にスポットを当てて考察しています。激しくネタバレを含みますので、注意してください。

前回はこちら ↓

本筋整理はこちら ↓

発作の原因

いきなり2巻の最後に出る盛大なネタバレから行きますが、ジミンは小学生の時に樹木園で迷子になり、児童暴行事件を目撃しています。その子と目が合ったけど逃げ出し、雨の中で泥だらけになりながら気を失って、目覚めた時には何も覚えていない状態でした。でもPTSDは残り、度々パニックを起こすようになりました。下の標識は「プルコッ樹木園」と書かれています。

画像1

親は世間体を気にして、発作のたびに学校を転々とさせました。そうして今度こそ発作を起こさないようにとビクビクしながら校区外の学校に来て6人と出会い、初めて楽しい学生生活を過ごすことができたのです。

でもホソクと下校していた帰り道、樹木園行きのバスを見て発作を起こしてしまいます。読者はずっと樹木園そのものが引き金だと思ってましたが、実はその被害者がバスに乗っていて、目が合ったからでした。ジミンはその瞬間に全部思い出したようですが、それを誰にも言うことができませんでした。

画像2

彼はそのまま精神病院に入院させられました。本当はまた学校に通いたい、皆に会いたい、ダンスがしたいと思ってても、親に意見することもできなかった。一緒に収容されている患者は日々訳のわからないことを口走っていたり、出してくれと泣いています。それを聞き続けるジミンもどんどん精神がやられていくのでした。

寄り添わない親

ゲームでは、ソクジンが父の関係の会合に来ていたジミン母から情報を得ようとする回もあります。でもソクジン父と仲が良いというより、権力に取り入ろうとしている感じで、例の「ジュノおじさん」からはあまり関わらない方がいいと言われたりしてたので、都市開発関連で逮捕された人たちの中にはいないようです。

定期的に息子の面会に行っていたり、バッドエンドになった時には「私が悪かったわ」と泣いていたりしてるので人並の愛情はあるみたいですが、ジミンに寄り添うのでなく、私たちを困らせないでという態度なんですよね。でも結構こういう親いるよね、リアルだ…。

ジミンは脱走後、しばらくホソクのところにいましたが、海の後に家に帰り、勇気を出して両親に「病院にはもういたくない」と言います。そのあと親は退院手続きをしたようですし、予備校やホソクと同じダンススクールにも通わせてるので完全なクズというわけではなさそうですが、単に事を荒立てたくないだけなのかもしれません。

なぜホソクだったのか

ゲームでは直接ソクジンが説得しようとしたこともありますし、同い年のテヒョンにジミンを説得してもらおうと2人で病院に忍びこんで連れ出そうとした回もあります(そこで頼れるなら自分のことも相談すればよかったのにね)。でもジミン本人が「皆の迷惑になる」「親に怒られる」となかなか動けなかった。

画像3

では、なぜホソクは説得できたのか。多分大きいのは、彼が一度発作を目の当たりにしていること、その上で再会した時に「僕はいずれ精神病棟に戻る危ない人だ」と遠ざけようとしたら「僕もどこでも倒れるけど、危ないってこと? 発作ってうつるもんでもないだろ?」と変わらない対応をしてくれたことかなと。

そして実際に退院していくホソクの後ろ姿を見送ったのもよかったんだと思う。自分も彼のように扉を越えたいと希望が湧いたんだと思います。脱走中、扉の前で一瞬ひるんだ時にホソクが「大丈夫だ。パクジミン。走れ!」と声をかけるのは感動的でした。

画像4

やはりどうしても境遇の違う人に「大丈夫、できるよ」と言われるのと、似たものを抱えている人に言われるのとでは感覚が違いますもんね。

そしてホソクはホソクで、ジミンに似たものを感じたから、ナルコレプシーのことを打ち明けられたんだろうと思います。

樹木園へ

前回のホソクと同じく、成功しそうな2ルートを見比べてみましょう。

【Aルート】(で説明したルート)

ホソクの告白を受け、自分もいつかはトラウマと向き合わないといけないとバス停で樹木園行きのバスを眺めていたけど、乗れずにいた。そんな彼を見かけて声をかけてきたユンギに「一緒に行ってもらえますか?」と頼む。

でも、その後もダンスの接触事故で血を見て発作が再発しそうになっているので、私の予想では、その日は行かなくて「お前に心の準備ができたらついていく」って感じだったのかなと。

それから皆で海に行き、グクが事故に遭い、ユンギが自暴自棄になったので、それどころじゃなくなってしまったんじゃないかと思う。ジミン本人も怪我した足で行き先も告げずに消えてしまったホソクを探し回ったりしていたし。

なので終盤でホソクが無事に帰ってきて、ユンギが立ち直った後は、いずれ2人で樹木園に行けていた気がします。でもその前にループしてしまいました。

【Bルート】(魂の地図を見つけるルート)

退院はしたけど通院は続けているようで、その帰りに「魂の地図」について医師に質問しているソクジンを見かけます。聞き覚えがあると思ったジミンはチャットルームを作って皆にも聞いてみます。そこから皆の捜査が始まります(そこでグクも招待してくれてれば…)。

後から一緒に収容されていた患者が言っていた言葉だったことを思い出し、話を聞きに行くことに。でもそれは、前に自分が監禁されていた場所に行くということ。不安そうなジミンに、ユンギが一緒についていってやると言います。一緒に樹木園に行く未来がこっちに変化した感じですね。

そしてこのルートでは、内部告発をし、全ての過ちに向き合うソクジンに勇気をもらい、ひとりで樹木園に向かいます。読者はそこで初めて私が先に述べた暴行事件の真相を知ります。ジミンはその現場に行き、雨の中を泣きながら逃げる幼い自分の幻影を追います。震える幼い自分を抱きしめて言う台詞が心にくるので、ここでも正確に書いておきますね。

『もう少し待つんだ。君がもう少し大きくなったら、いい友達ができるよ。友達と一緒に、君はもっと素敵な人になるだろう。その頃には君は大丈夫になってるかもしれない。だから少しだけ、もう少しだけがんばれ』

直接、花様年華の作品ではありませんが、私はここで soundcloudで公開されたジミンのオリジナル曲「約束」を思い出しました。

ジミンはこの曲に出てくる「君」は自分のことだと公言しています。

最初に歌詞を書いた時に、自分を責めるようなことばかり書いて悲しい歌にしてしまったので、全面的に書き直したんだとも言っていました。そういう情報を踏まえて「約束」を聞くとまたじんわり効いてきますので、改めて和訳も楽しんでみてください。

ついでに言えば、RUN EP.85では、ホソクがこの曲をCDにしてジミンにプレゼントしてましたよね。2人の関係性もすごく好きです。ジミンのルームメイトはホソクしか務まらないと言われていたそうですし…。リアルな皆と花様年華の皆はもちろん違うんですが、こうやって絶妙にリンクしてくる際どさがたまらない。

残された謎と展開予想

なんと言っても残された謎は、暴行事件の犯人でしょう。こういう事件は非常に胸糞なので正直見たくないのですが、犯人には絶対何らかの報いを受けてほしいので、早期解決を願っています。連れ去られた男の子は当時5歳。殺人事件でなかったのもあってか、ジミンが記事を検索した感じでは、そのまま迷宮入りの模様。

怖いのは、ジミンが成長した被害者を見て気付いたということは、加害者の顔も見たら思い出すんじゃないかということですよ。そして今まで誰にも言わなかったからまだよかったけど、今後、記憶があるということを誰かに知られたらどうなるのかという心配が出てきます。

【犯人は再開発がらみ?】
ありそうなのは犯人が権力者(またはその家系)で、事件そのものがもみ消されているやつですよね。再開発では警察との癒着なども問題になっていました。ネタバレになるので控えめにしておきますが、シグナルもそういう系統のお話だったので、韓流サスペンスあるあるだよな…と思ったり。

まさか隠蔽に絡んではいないと思うけど、親は同じような時期にジミンがPTSDを起こしているのに、この事件を関連づけて考えなかったのだろうか…。被害者が発見されたファヨン山と樹木園の距離が分からないので何とも言えませんが。ニュース自体が当時大きく取り上げられなかったのか、それとも…。

【ループと関係している】
今回気になって改めて見返したんですが、ジミンが遠足の帰りに樹木園で迷子になったのは2011年4月6日。被害者が発見されたのは4月10日。そしてソクジンがループを繰り返しているのは2022年4月11日。う〜ん、考えすぎか。11年前だったら、ソクジン父のループしていた時期でもないでしょうしね。でもちょっと気になるので、一応書いておきます。

次はユンギでいこうと思います。彼も結構今後の展開の鍵を握っていそうです。

※ 続きました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?