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「貴方様に、一度限りの時を止める能力を授けます、どうぞご自由にお使いください」 その老…
壁に穴が空いている。 私の大切な研究室を廃墟同然の風貌にしてしまった程のどでかい穴が…
「夜は危ないから外へ出たらいけないよ」 辺りが暗くなる頃、大人は口を揃えて僕に言う。ま…
嫌なにおいで目が覚めた。嗅ぎ慣れた、嫌なにおい。 まだ半分まどろみの中にある頭で考え…
2029年、アメリカの某大学の研究チームが発表した「最先端の技術を用いて、人間の『やる気』…
私の高校に、知らない者はいない怪談がある。 その名も「トンネルの菊子さん」 ありきた…
高校卒業と同時に、芦田繁は傷だらけのエレキギターを持って、福井県から上京した。俺はバンドで食っていくんだと、そう決めていた。 しかし、そうそう上手くいかないのが人生であり、世の中である。同じ夢を抱えている若者は掃いて捨てるほどいるし、繁より歌もギターも上手い奴がゴマンといた。音楽会社にデモテープを送っても良い返事はどこからも得られず、そもそもそれ以前の問題として、彼自身の粗暴な性格も災いし、バンドのメンバーがまったく集まらなかった。 繁は人生で初めて挫折というものを経験し、そ
小ぢんまりとした部屋に、二人の男が座っている。二人は中央に置かれている電話が鳴るのを待…
俺は生まれついての強運の持ち主だ。しかしこれまでの半生は、決して良いものではなかったと思…
わかってるだけでも、もう十三人が奴らの犠牲になっている。多分、これからもっと増えるだろう…
どんなに好きなバンドにも、一曲くらいは良さがわからない曲がある。これは好き、これも良い、…
一週間降り続いた雨はようやく止み、からりと晴れた。持ち物はバッグだけで、傘は要らない。…