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原発なんかやめちまえ

2022年2月24日ロシアがウクライナを侵攻した。その直後ロシア軍はチェルノブイリ原子力発電所(原発)を制圧。3月2日には欧州最大規模の原発であるザポリージャ原発を攻撃、制圧したことがわかった。
稼働中の原発を国家が攻撃したのは有史上初の事である。一歩でも間違えば、核の大惨事を引き起こす危険性もあった。あの福島第一原発事故やチェルノブイリ原発事故の数倍もの悲劇が起こった可能性もあった。そのためロシア軍のこの攻撃は当然非難されるべきである。

この話題を切っ掛けに、日本国内では原発再稼働の是非が議論となった。
そもそも原発を抱えること自体が惨事のリスクとも考える論調も目立つようになった。
私はこの話題以前から原発には否定的な立場である。
ここでは反原発について語りたいことを語りたいと思う。

原発の問題点

莫大なコスト

原発は一般的にコストが安い発電とされている。

これは燃料の質量の効率でいえば、原発は石油による火力発電の約75,000倍という計算になるそうだ。(1年間100万kW産生する場合、原発は濃縮ウラン21t、石油だと155万tも必要)

原発の発電コストは10.1円/1kWhだが、石油による火力発電は30.6-43.4円/1kWhとなるそうである。更に原発はCO2を発生しないとされている。火力発電においてCO2排出は大きな問題である。
これらの点から原発はクリーンで経済的な発電方法のように思える。

だが、違う。

この計算には大きな問題がある。

現在(2022/3/8時点)でも福島の一部地域に立入制限がかかっているように、まず原発事故を起こした際、莫大な被害と共に被曝による健康被害は勿論、大規模な土地が使用不可能になるなど大損害を被ることは看過できない。

これをテールリスクという甚大な被害をもたらすが滅多に起こらないリスクと評する人もいるが、地震や津波が多発する日本で11年前に現実として起こっており、かつ後述するが原子力業界の体質変化も望めない以上、リスクを矮小化しているとしか思えない。

次に放射性廃棄物の処理問題である。
現在のところ放射性廃棄物は地中奥深くに埋めて処分することとなっているが、隔離が必要な期間は10万年ともされているのだ。

また原発は日本において原則40年間しか運転してはならない。当然廃炉あする必要があるが、この際も放射性廃棄物を大量に排出し、そして時間もかかるのである。福島第一原発の廃炉は最長40年もかかると計算されている。

そういったことを度外視して、これらの計算はなされている。
原発というのはとても莫大なコストの上で成り立っているというのは過言ではない。そして未来に多大な負債を押しつける発電方法なのは間違いない。

また日本の火力発電は発電効率の向上、CO2排出の削減も世界最高水準にある。脱炭素化、低炭素化はそういったアプローチで行われるべきだと考える。

原子力業界の体質

次に原子力業界の体質自体を批判したい。

まず東京電力、東電についてだ。
福島第一原発の事故の原因の多くは東京電力(東電)にあると考えている。この東電、原発事故後、経営陣が刷新された、体質が変わったなど全く聞かない。つまりは事故を起こした当時から体質に著変はないと考える。日本の原子力業界のトップのひとつがこれである。さすがに信用が置けない。だがこれは主観なので大した問題ではない。

そもそも原子力業界という業界が信用できない。
廃炉や放射性廃棄物問題、そして失敗した高速増殖炉もんじゅでも明らかなように、原子力業界は将来の技術革新を頼りにした無責任な原発の運用をおこなっているのである。
しかも原子力を専攻とする学生の減少が最近問題となっているようだ。
技術革新自体が起こる可能性が低くなっているのである。

これらのことから、原発だけではなく原子力業界自体が未来へ無責任に負債を押しつけていたことがわかる。

殆どの原発を抜きにでもやっていけている現状

現在、全国38基の原発のうち9基ほどしか再稼働していない。2020年の全電力における原発の割合は5.0%である。その状態でも日本は動いている.。そういう現実がある。
ウクライナ侵攻に伴い原油の高騰が問題になっているが、原発再稼働は即時的に対応できるものではない点。また原発もまたウランの輸入に依存している点を考慮する。

ならば原発はいらないのではないか。
原発なんかやめちまえ。

と私は考える。

最後に

原発は未来に負債をおしつける発電方法である。
フランスやドイツなど先進国が原発の電力における比率を増加させようと関係はない。

うちはうち、よそはよそ。

少なくとも日本は地震や津波の危険性が高い。
福島第一原発の事故から日本の原子力業界は明らかな反省や改善があったと言い難い。

つまり、日本は原発を運用する能力も信用もないのである。
ならばエネルギー政策に原発の存在を許容するより、原発を抜きにした方がよっぽど建設的ではないかと考える。

このように私は原発を否定する。
批判、反対意見受け入れる。むしろどしどし欲しいが、
どうか賛同あらんことを。

参考資料


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