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マーケティングマネジメント読書会(MBD)_Day11

日曜朝7時、海を越え、世界各地から集まったドMたちが繰りなすマーケティング勉強会。(あれ、今日は中国とタイの方のお顔が見えませんね……?)一年計画の壮大な勉強会も、いよいよ折り返地点を迎えました。

お題の本は、マーケティングの名著「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」。漬物石にも鈍器にもなりそうな重さと厚みはなんと1000ページ!これを課題図書に、隔週1章ずつ、2~3人のチームで発表をしていきます。

今回は、いよいよ全22章の折り返し地点・11章「競争への対処」!

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「競争」、まさにマーケティングの肝と言える章ではないでしょうか。
これまでのテーマでは、正直、実務で携わっているかいないかで、自分事化しづらい章もありました。しかし「競争」はどの企業、どの事業、どの商品であっても日々向き合っているもの。皆、いつにもまして前のめりでスタートです!

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発表者は、MBD勉強会の愛され3人組。ハイスクールミュージカル激推しのかじりんさん、名前が誤植していたおばちゃん、肌年齢23歳のこーじさんです。開始早々おばちゃんの鼻をかむ音に皆が癒されます。心理的安全性ばっちりのチームなので、無問題!ですね。

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① 競争の要因

まず初めにかじりんさんからこんなスライドが。

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彼を知り、己を知れば、百戦殆からず。

はい、有名な孫氏の名言ですね。「敵と味方の情勢をよく知って戦えば、何度戦っても敗れることはない」。この一言に、3C分析、KSFの特定…マーケティングの肝が詰まっているように感じます。MBD読み終わったら、三国志読もうかな……。

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競争相手を知る前に、まず市場・業界を知ることで競争の要因を特定できます。ということで、5F分析が出てきました。最も魅力的な市場の条件は、参入障壁は「高く」、退出障壁は「低い」業界とのこと。「参入しやすいか」の視点はあったけれど、「退出しやすいか」の視点はあまりなかった!というコメントもあり、チャットでも盛り上がりました。変化の激しい業界では、市場自体がなくなってしまうこともありますもんね。

②競合他社の特定と分析

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市場・業界を把握したら、いよいよ次は敵を知ろう!ということで競合研究。競合他社を分析する場合には、次の3つのシェアを観察すべき、という話が印象的でした。
1.市場シェア:ターゲット市場におけるシェア
2.マインド・シェア:この業界で最初に思い浮かぶ会社
3.ハート・シェア:その製品を買いたいと思う会社
「マインド・シェア」と「ハート・シェア」、この両方を着実に拡大している企業は、必然的に市場シェアと利益も伸ばせるとのこと。どっちかだけじゃだめなんですねー。

③マーケット・リーダーの競争戦略

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三国志つながりで「“絶対に勝つ戦”以外興味がない」と言い放った王翦のスライドがしびれます。
そもそも業界の中には「リーダー」「チャレンジャー」「ニッチャー」「フォロワー」という立場がいます。立場が変われば、戦い方も変わる。じゃあ「リーダー」の戦い方ってどうなの?リーダーは王者なんだし、戦う必要あるの?と思っていましたが、リーダーは常に他立場からの脅威にさらされているんですねー。リーダーの戦い方は
①総市場の拡大 
②市場シェアの防御 
③市場シェアの拡大
 
がポイント。
リーダー企業と接点がなくいまいちイメージが湧かなかったのですが、みよっしーさんのコメントがとっても分かりやすかったです。

食品メーカーのCMは「今夜はカレーにしようとか、寿司にしようとか、焼肉にしよう」みたいなCMをそれぞれリーダー企業であるハウス、ミツカン、エバラが時期に合わせてCM入れて市場拡大に努めてるって感じですね。

日本の食卓を支えるリーダー企業、かっこいいぜ!

④ チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの競争戦略

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そして「チャレンジャー」「ニッチャー」「フォロワー」の戦い方。
「弱いチームが強いやつらをやっつける、勝負事においてこんな楽しいことは他にあるかよ」とは、ジャイアントキリングの達海猛。(っていうか、皆、漫画の引き出しすごいな)
「チャレンジャー」の基本戦略は「市場シェア増大」。「イミテーション」の事例も面白くて盛り上がりましたw

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某メーカーでマーケティングを担当するUさんからは「うちの会社では“パクリ”ではなく“戦略的リスペクト”と呼んでいます」という素晴らしい意見も。マーケティングや競争というと「いかに差別化するか」が頭に浮かんでいましたが、模倣も立派な戦い方なんですねー。
続いて「ニッチャー」の戦い方。自身も美容業界の中で「プロユース市場」というニッチな市場を攻めているこーじさんの実体験は、非常に説得力があり、みんな興味津々。

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市場の定義が変わると、メインプレーヤーが変わる。「リーダーではできないビジネス」というのがあり、ニッチャーはそこをどう見つけ、狙っていくかが肝だなと感じました。

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そして最後、これだけ競合の話をしておきながらも、「競合だけ見ていては近視眼的になりがちだよ!」という話も、個人的には刺さりました。マーケターは常に「顧客」のニーズを見ることも忘れてはならないのですね。

⑤質疑応答・意見交換

発表後の質疑応答も盛り上がりました。

Q.「一般市場とニッチ市場はトレードオフ」ってどういうこと?
一般消費者とプロ(美容師)ではニーズが異なる。両方をターゲットにしている企業もあるが、やはりニッチに絞った企業のほうが小回りきいたフォローができる。両方を狙っている企業は、昔はよかったけど最近は弱ってきている(特に国内)。

Q.一般市場とニッチ市場、製造面や品質面でも違いがありそうだよね。
食品は、toBは小ロット多品種が求められる。toCはその逆。美容業界も、toBは多品種小ロットが大前提。それを小さい業界の中でいかに効率よく生産し売るかがカギ。一般市場とニッチ市場で生産設備や在庫の考え方が違うからすみ分けられるんでしょうね。

Q.ニッチャーは、いつまでもニッチャーでいいの?
出てきたときはニッチャーでも市場の変化によってリーダーになりうるのでは。ニッチャー市場ではリーダーになれる。ニッチ&トップポジションを狙っている会社もある。会社の規模にもよる。ニッチャーはリーダーに勝とうとは思っていないのでは。ニッチ市場自体の拡大と、エリアをどう広げるかを考えていくのだろう。

メンバーの所属する会社の立場によって、色々なエピソードや考え方が出てきてすごく面白かったです。イメージがわくと、実務への引き寄せもしやすいですね。

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そんなこんなであっという間の2時間が終了!!グロービスの経営戦略・マーケ基礎の授業で習ったこともたくさん出てきて、良い復習になりました。

こちらのマーケティング勉強会、途中参加は誰でもOK!「一緒に学びたい!」という方はぜひ参加表明を♪ 今回も、新メンバーKJさんが加わって、チャットやグループディスカッションを盛り上げてくれました。

今回は幹事のせんべんさん@中国が寝坊で欠席でしたが(次回はやる気満々です!byせんべんさん)「そんなこともあるよね、人間だもの」という感じの大らかなメンバーが待っています。参入障壁が高くない、魅力的な勉強会ですね。さあ、みんなのネットワーク効果で学びの質を高めていきましょう~!

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