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【書評】スポーツ立国論〜日本のスポーツ界が進むべき道しるべ〜

先週末2冊の本を読みました。1つは再読したもので、もう1つがタイトルにある通り、「スポーツ立国論」という本です。

これまでスポーツに何らかの形で関わっている中で、「日本におけるスポーツの問題は山積みの状態になっている!」ということは漠然とではありますが、理解していたつもりです。

ただ、具体的にどういうことろが問題なのか?と聞かれると、残念ながら明確には答えられませんでした。

ですが、この本には著者の原体験を含めて、今の日本スポーツ界の構造上の課題が具体的かつ非常に分かり易く解説されています。

※正直、業界関係者には耳の痛い話ばかりかもしれませんが・・・。

まず、私自身が日本スポーツにおける課題を漠然としか捉えることができていなかったのは、課題をカテゴリー毎に整理して考えることができていなかったことが原因です。

この本では大きく5つの視点から日本におけるスポーツの構造上の課題を捉え、それぞれに対して欧米(特にアメリカ)の事例を踏まえた解決策まで提示しています。

1つはスタジアム・アリーナに関する問題。2つ目にリーグやスポーツ団体の問題、3つ目に学校(特に大学)スポーツに関する問題、4つ目が女性スポーツに関わる問題、そして最後にメディアに関する問題です。

加えて、スポーツと地方創生をテーマに、いわきFCと沖縄のプロジェクトを事例として紹介しながら、スポーツ立国への道しるべを提示しています。

この本を通じて、オリンピックの自国開催に否定的な人がいること、オリンピックだけでなく、国内のスポーツイベントに否定的な人がいる原因も分かった気がします。

ただ、これだけの課題があるということは、それだけ日本のスポーツ界には「伸び代がある!」とも捉えることが可能です。

幸い(と言っていいと思いますが)昔のアメリカスポーツ界は今の日本スポーツ界と同じような状況にあったとのこと。

つまり、今後日本のスポーツ界が参考にできる事例は豊富にあるわけです。

現状、日本のスポーツ界には沢山の課題がありますが、この本を最後まで読み進めていけば、未来に対する希望が少なからず湧いてきます!

今後考えていかなければならないこと、取り組んでいかなければならないことを含めて、いくつもの新たな視点を得ることができるでしょう。

この本はスポーツビジネスに関わる人、今後関わっていきたいと思っている人には必読の本であり、まずスポーツ界のどういった課題を解決したいと思っているのか?を整理する上でも非常に役立つはずです。

もちろん、スポーツビジネスに関わってっているか否かに関わらず、何らかの形でスポーツに関わっている人、そして今の日本を何とかしたい!という人に、ぜひ読んで欲しいなと思っています。

スポーツが「日本の持つポテンシャルを開花させる」、そんな可能性をきっと感じることができるはずです!


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