番匠カンナ/鈴木綜真/竹村泰紀 ── 都市を見つめる変化の兆し
01 都市の隙間への巣食い、あるいは救い ── 番匠カンナ(バーチャル建築家)ギャル雑誌『egg』の編集長は、もう聖地はなくなったと言った。都市がより快適により洗練されるほど、熱は都市空間を求めなくなった。代わりに匿名掲示板、動画サイト、SNSが路上になり、現実の地名はカルチャーの表舞台から消えた。
この半壊した雑居ビルは、反計画とも呼べる空間の質を提供する。ここにある理想の隙間は、人間の熱を受け入れるのに十分な無遠慮さを備えている。だがここに行き着くのは容易ではない。もっと