独立時のしくじりポイント

組織や特定の業種で活躍し、その実績をもとに独立する。

そんな時に気をつけたほうがいいのが「相場」です。

例えばアーティストや芸能の世界には、ギャラの相場が存在します。

20万円〜300万円など、かなり幅広い報酬の幅があるわけですが、これを提示すると、びっくりされることもしばしばあります。

これは、映像、サウンド、デザインなどの専門的なスキルを生業にしている業種によくあることで、クライアントの目処が立っていないまま独立して「これまでの相場感」で活動すると孤立してしまい、結局もとのさやに戻る話もよく聞きます。

もちろん、安くすることが良いのではなく、「一般的な価値に落とし込んだ時の最低価格」も設定しておくといいと思います。


たとえば、よく慰問で演奏するミュージシャンが「無料で当然だと思われては困る」みたいな話がよくSNS上で話題になります。

僕はその問題は簡単に解決すると思っています。

「感動の価値」「表現の価値」「業界の闇」など一切関係なく、一般論で済む話です。

<なぜ対価を支払ってもらえないのか?>
・プロモーションの扱い
・演奏スキルが一般的に見ても低く趣味レベルと思われた
・プロフィールなどが同様に低く評価された
・他の慰問者が無料でやった前例にならった
・事前に報酬の交渉をしなかった
・予算が全くなかった
・自分の中に仕事の明確な基準を設定していなかった

この辺りだと思います。
決してそのミュージシャンを責める意図はありません。
音楽などの表現に対する対価の設定は、当事者にとってとても難しいものであるということです。

<どうすれば対価を支払ってもらえるのか?>
・プロモーションではなくサービスであることを明確にする
・肩書きで武装する
・事前に相場を伝えて交渉する
・クライアントの集客に合わせて算出する
・予算の内訳を聞いて割合で換算する
・人件費として最低限請求する

つまり、いずれにしても一般的な仕事やクライアントに、「仕事」「成果」としてわかりやすい価値を提示することです。

ミュージシャンの慰問の例では他に、「アルバイトの学生にもバイト代を払っているのに、ミュージシャンには人件費も出ないなんてひどい」という声もあります。

でも、実際にクライアントにとっての「学生にバイト代を払って得るメリット」に対して、ミュージシャンは誰にどんなメリットをもたらせるのでしょうか?

そして、それは、彼らにとっていくら払う価値があるものなのでしょうか?


独立して以来、僕は自分の業界の相場、クライアントの相場、両方把握して交渉をしています。

僕は「自分の1日の人件費が最低価格です」と説明しています。

予算10万円のプロジェクトに「僕の報酬は40万円なので無理です」と言うのもプロですが、どんなに少ない予算でも、僕の価値がしっかり伝わっている相手に、その予算では手にできない感動を与えることもプロのなせるわざだと思っています。

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