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マンションから自治を考える02「自治組織と行政と市政」

大阪市内の町内会の現状

町内会は、大阪市では町会と呼ばれていますが、現在は地域活動協議会という名称になっています。
この組織の前身は戦後GHQ占領下の赤十字奉仕団であり、民主主義的で開かれたものではなく、戦前の隣組的な組織でした。
その名残もあって、現在でも組織の役職は地域のヒエラルキーそのものです。自らが職を辞めない限り他の者が役職を交代させることは不可能に近い状態でした。
その地域活動協議会の組織もご多分に漏れず、高齢化がいきつくところまでいっています。自治組織としての職責を果たせる年齢による引退や交代は必然ではないかと思うのですが、多くは組織としては完全に疲弊しています。
これらの事実は、住民の無関心が影響していると考えられます。

地域活動協議会と行政と市政

当時の平松市長と橋下知事は、一時は蜜月でしたが、市長選の際に地域活動協議会が組織を挙げて平松市長を応援したことにより、橋下知事が地域活動協議会を危険視するようになりました。
地域活動協議会の組織が、そのまま当時圧倒的議席数を保持していた有力政党の後援会組織と非常に似通っていたという背景がそこにはあります。大阪市内全てとは言いませんが、多くの地域活動協議会は集票マシーン化していたのでした。
地域の行事ごとに現役議員が顔を出すので、組織と非常に近しい関係になるのも仕方のないことかもしれません。政治家も地域活動協議会を利用していましたが、大阪市側も利用していました。
大阪市や各区が主催する様々なイベントや施策の成功の如何は、地域活動協議会によることが多かったのです。イベント毎に地域活動協議会側に動員を依頼して、参加者の確保をしていました。
逆に地域活動協議会に嫌われては、イベントが成功しないだけでなく、行政の仕事がスムーズにいかないので、区役所の職員は総じて地域活動協議会の役職の人には頭が上がらない関係にあったと感じています。
ただし、声がけして参加するのは地域活動協議会の方々ですから、顔ぶれは毎回同じで、そもそもその議題やイベントに興味があるから参加しているのではないため、その後の成果や住民への波及効果は限定的なものだったというのが現実でした。

地域活動協議会を核とする運営の難しさ

地域活動協議会の予算は町会費だけでなく大阪市からの費用補助もあるのですが、それは、区役所イベント等の業務委託費用だったのかもしれません。しかしその費用補助の内実はなんのための補助なのかははっきりされていません。
政治家に対してお金の流れを批判する人はいても、ほとんどは善意とボランティアで成り立っている地域活動協議会に対して、その運用を批判する人はあまりおられず、ブラックボックス化しやすいのも特徴です。既存の組織の運営をオープン化させるのは、ある意味内部改革になり相当な抵抗が予想されます。
またオープンな運営を行政側から無理に強制すると、イベント協力を拒否されてしまい、行政が機能不全を起こしてしまう恐れもあります。
そもそも地域活動協議会は任意団体であるので、役職含めてすべて公募、公選制で会計もすべてクリーンにオープンになっていなければならないと思います。
当時の橋下氏、維新が本気で改革をする気があれば、地域活動協議会は正常化できたのではないかとも思いますが、残念ながら、改革するのではなく、懐柔すればよいということに気がついたのだと思います。このあたりは利に目が利く判断であったのでしょう。

ここまでの内容をご覧になって、身を粉にして地域のためにがんばっているのに、そんな批判をするのか、と感じられ憤慨された方もおられると思います。またうまくいっている地域もたくさんあると思いますが、UCOのフリーインタビューということで私の感じていることをまとめさせてもらいました。

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