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大阪市をウォッチしよう!! 26 「膨らみ続ける「夢洲万博」コスト」

 最近は大阪・関西万博のことを「夢洲万博」と呼ぶようにしている。万博会場の夢洲は軟弱地盤と脆弱なアクセス、そしてIRカジノ誘致と一体の開発であることで、多くの問題が噴出しているからだ。大規模イベント、とりわけ夢洲万博に特有の費用(コスト)上昇である。それにより国と地元自治体の財政負担は膨らみ続けている。19日に公表された内閣官房国際博覧会推進本部事務局・経済産業省商務・サ―ビスグループ「大阪・関西万博に関連する国の費用について」、大阪府市万博推進局「大阪・関西万博に要する府市の費用について」から、夢洲万博の財政問題を考えていきたい。

 国の資料によると、万博の準備等に直接資する事業の国費は1647億円。内訳は会場建設費783億円、日本政府館の整備360億円、途上国等の出展支援360億円、会場内の安全確保199億円、全国的な機運醸成等38億円である。2021年の「万博に関連するインフラ整備計画」の総事業費は約9.7兆円であるが、その国費負担分が掲載されている。下水道・港湾関係の会場周辺のインフラ整備810億円、会場へのアクセス向上7580億円、計8390億円かかるとしている。

 大阪府市の資料によると、万博に要する府市の費用は約1112億円にのぼるという。内訳は会場建設費784億円、夢洲地区埋立工事にかかる一般会計負担21.4億円、大阪メトロ中央線輸送力増強等47億円、大阪へルスケアパビリオンの建設等118,6億円、参加促進40.4億円、機運醸成等39.2億円、誘致に要した費用4.2億円、これら以外の費用58.9億円。費用は今後さらに膨らむ見通しという。その他の費用として、国の資料と同様の大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画に掲載された事業などを提示している。これはあくまでも本来の行政目的のために実施する事業であり、大阪・関西万博のみに資する金額を算出することが困難なもの。万博後も「大阪・関西地域の社会経済活動を支える基盤」として継続的に利用されるものであり、大阪・関西万博のための新規又は追加的なものではないが、その上で敢えて各事業ごとの合計額を示したもの。今後、国等関係機関と調整のうえ、府域内事業を抽出していく。

 まわりくどい説明だが、万博の府市負担分1112億円には、インフラ関係分は含まれていない。万博関係分の追加負担だけでなく、夢洲とその周辺のインフラ関係分を含めると巨額の負担になることは間違いない。

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