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里山から自治を考える 03 ドライブとしての大阪・関西万博

2023.06.22

里山をベースに地域循環に向かうためには、思考の縦軸からの脱却が不可欠。そのために勢いづけるためのドライブとして大阪・関西万博に着目した。兵庫県が提唱するフィールドパビリオンで可能性を問う。

前回、地域循環としての里山の可能性について、その合意形成をしていくためには、まず個々人が自立して考えること、そしてその個々人が集まり、ネットワーク化し、その上で地域政策にまでコミットメントできるだけの力をつけていくことが必要ではないかということを話しました。
さらにこの里山=地域循環という概念が力を持ち、本当に必要とされていくのかどうかについて、エコーチェンバーの中だけで騒いでいては議論が広がらないため、いつまでたっても合意形成はできないので、批判を恐れず外に飛び出していくことが不可欠であるという点までをまとめました。
さて、そこでですよ、ずっと考えていたわけですが、考えるとアイデアが湧いてくるというか、人が集まってくるというか、ふとあることに気づいたわけです。

大阪・関西万博

今度2025年に開かれる大阪万博は、よく見ると「大阪・関西万博」なんですよね。大阪万博ではなかった。ということは私が住む川西市でも何かできることがあるのではないかということで調べてみると、兵庫県がこの大阪・関西万博で「ひょうごフィールドパビリオン」を行うということがわかってきたんです。関西一円でこの万博を開催していく。単に夢洲の会場だけではなく、世界から来訪する方々、日本中から大阪そして関西に観光する方々に対して、絶好のアピールの場が「大阪・関西万博」なのです。

ひょうごフィールドパビリオンとは

“持続可能でよりよい世界の実現には、世界共通の目標であるSDGsの視点が重要です。
兵庫では、歴史も風土も異なる個性豊かな五国において、地域の人々が主体的に課題解決に挑み、未来を切り拓いてきました。「震災からの創造的復興」「人と環境にやさしい循環型農業」「豊穣な大地や海にはぐくまれた食材」「挑戦を繰り返してきた地場産業」「郷土の自然と暮らしの中で受け継がれてきた芸術文化」など、地域を豊かにする取組には、世界が持続可能な発展を遂げていくための多くのヒントが秘められています。
2025年「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催される大阪・関西万博を舞台に、こうした兵庫の取り組みを国内外に発信します。
ひょうごフィールドパビリオンは、地域の「活動の現場そのもの(フィールド)」を、地域の方々が主体となって発信し、多くの人に来て、見て、学び、体験していただく取組です。”
おお、これで、北摂里山地域循環共生圏をアピールするのは、まさしくエコーチェンバーの外に打って出る活動ではないかと感じたわけです。

欺瞞として語られるSDGsではなく

SDGsは、持続可能でよりよい世界の実現という名の下での単なる企業活動に過ぎないという声はありますし、事実そうかもしれません。しかし、少なくとも里山は、日本における地域循環の雛形だったわけです。その里山を持ち出して、SDGsという文脈に対して声を上げることは、私にとって少なくとも単なる地域のエコーチェンバーの外に打って出る戦いになるのではないかと位置付けています。

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