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最近、なに聴いてるの? 第2回 ラッキーセベン『Welcome to our 1st EP』


ラッキーセベン『Welcome to our 1st EP』

少しさびれた商店街を酔っ払ってとぼとぼ歩いてると、夜の涼しい風に誘われて前を向く。すると視界の隅で赤ちょうちんがゆらゆら揺れている。この大阪で結成された6人組バンドのEPを聴いていると、ふとそんな情景が浮かんでくる。彼らの音楽は楽しく浮かれた気分と寂しい気分が6:4の比率で割られた下町のナポレオンならぬ、下町のソウルミュージックなのだ。
特筆したいのはコーラスワークに重点が置かれているところだ。複雑で圧倒されるようなものではないが、自分たちが出来ることをきちんとこなそうという実直さと感情がこもっており、そんな姿勢になんだかグッと来てしまう。
あと、ボーカルの声質がとても魅力的。トータス松本のようなパワフルなものではなく、もっとなんというか、エロい。特に伸ばした時の絶妙なビブラートが。時折、もっとレイドバックして歌いたいんじゃないかと思う瞬間があり、演奏がもう少し重心を下げてあげると、より気持ちよく歌えるんじゃないかとも思う。その反面、楽曲全体がレイドバックしすぎると、もたついて聴きにくくなるかなぁ、なんてことを全く関係者じゃないのにウダウダと考えるのが堪らなく楽しい。
こういうバンドは優しくて強いファンベースを自然と築いていくだろうし、なんならポンと売れる可能性だってありそう。


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